Bloc Partyの3rd。ほとんどプロモーションされていない頃からネットで配信されていたので、ファンにとっては今更感があるかもしれないが、これはなかなか気合いの入った作品だと思う。
前作「A Weekend In The City」は割と計算しつつも、自分たちをよい方向に追い込みながらあらたな側面を披露した力作であった。ただ、その計算された部分が過剰なインテリジェンスとも感じられ、逆に聴き手によけいなことを考えさせてしまうようなところもあった。
今作は、そういった部分からの脱却を図ろうというねらいがあったのかは知らないが、とにかく何も考えなくても聴ける。というのは、音からあふれるエネルギーが強烈で、よけいな思考の余地を与えないのだ。肉体的であり官能的。とにかくプリミティブな魅力がこのアルバムにはある。デジタル、ダンサブル、そしてエレクトリックの要素が未整理のままぶち込まれていることで、先の読めないスリリングなところもいい。
まとまりはないし、決して完璧な作品ではない。アイディアが先行してしまって、グルーヴにぎこちなさを感じる曲もある。それでも、「表現衝動だけで1枚作品を作ってしまった」というそんな雰囲気を漂わせているのはさすが。とてもロックだ。
Bloc Partyがポストパンク・ニューウェーヴという範疇を軽々超えて、ロックの本質に迫ることのできるバンドだということをこのアルバムは証明している。
おすすめ度★★★★(05/11/08)
個人的に一番好きなのが
Talons
Mercury