1stは実に「よくできた」作品だと思う。どキャッチーなメロ、そして王道的な曲構成。かつてのUKロックが持っていた根幹的なロックの「楽しさ」を感じさせる素晴らしい作品だと思う。そして、1曲1曲の完成度の高さ。僕も大好きな作品である。
ただ、このように「よくできた」1stをドロップするバンドは結構いる。そして「よくできた」2ndを作り上げるバンドもそこそこにいる。
でも、1stほどに「愛せる」2ndを生み出せるバンドは、ほとんどいない。これが現実だ。
フラテリスはどうなのか?
結果から言うと、実に見事にそのハードルをクリアしたと思う。
基本的な持ち味は変わらないが、曲のアレンジや質感が若干ハードになっている。前作よりも練り込まれた感がなく、曲そのものをもっとダイレクトに表現しようとする姿勢がみられる。ポップなイメージを想定していた人には物足りないかもしれないが、個人的にはこの「ザラザラ」した感じが好きだ。先行シングル「Mistress Mabel」を聴けばわかると思うが、ラフな演奏とポップなメロディーが溶け合うことでドライブ感あふれるロックに仕上がっている。
そして、彼らの魅力である楽曲の完成度。このアルバムでもかなりの「高打率」をマークしている。やっぱり捨て曲が一切ない。あまりの王道ぶりに、もう少しひねたところもほしくなるのだけれど、このバンドの方向性としては、こういう衒いのないメロディーを書き続けるというところを目指すのがいいのだろう。
とにもかくにも素晴らしいセカンド。もっと話題になってもいいように思うけど。
おすすめ度★★★★(06/21/08)