最近の趣味、“銭湯通い”。
その昔、相当むかしの事。
死んだ祖母は東京で銭湯を切り盛りしていたそうな。
そのせいなのか、銭湯が好きだ。
特に昭和の香りがする渋めな銭湯がたまらん。
大きなお風呂ってのが良い。マイナスイオンたっぷりだし。
出来れば温泉・・・
そんな贅沢は言っちゃイカン。
潔癖さんには無理かも知れんが・・・慣れちゃえばみんなのお風呂は楽しい。
人生のセンパイ達とのお喋りもなかなか、勉強になる。
訪問看護でお馴染みの利用者さんMさんは「銭湯行って体重測定」が日課だ。
主治医に減量を指示されたMさんは、ちゃんと体重を気にしているようだ。
身体をキレイにして、体重もチェック出来るなんて、銭湯はたまらんね。
京都の「船岡温泉」「長者湯」なんて、佇まいからしてもう最高にカッコよい![]()
他にも、素敵な銭湯はまだまだニッポン各地に残ってるから、
捨てたモンじゃない。
東京だって、昭和の香り漂う素敵な銭湯はいっぱいある![]()
現在、我が家の周囲の「なわばり」内の銭湯は3ヵ所。
毎日疲れきっているワタシは、相当お世話になっている![]()
昨夜は、大学生っぽいお姉さんがモジモジと、
鼻歌歌ってシャンプーしていた私に声をかけてきた。
「シャンプー貸してもらえませんか?」
・・・っつーかお姉さん、手ぶらで銭湯っすか![]()
スーパー銭湯じゃないのよ、ココ。
普通の、昭和な銭湯。何も置いてないの。
・・・そっか。温泉とかスパは行っても、銭湯ってあんまり行かないか。
そのお姉さんを見て、前に友人を近くの銭湯に連れて行った時のことを思い出していた。
その人は私より日本語が達者で日本通だが
、なんせ異国の人なので
銭湯の入り方を説明した。「teaセレモニー」ならぬ、「銭湯セレモニー」![]()
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①のれんをくぐる。
②靴箱に靴をしまって、かっこいい木札を保管。(好きな番号選ぶ)
③番台のおじさんにご挨拶してお金を払う。
④男湯ののれんをくぐって脱衣所へ。
⑤全裸になって服をロッカーに保管。カギのゴムで髪をまとめても可![]()
⑥「お風呂セット」を持って風呂エリアに入る。風呂エリアの戸はちゃんと閉めないと寒いから怒られるので注意
バスタオルはロッカーに入れておく。巻いて入らない![]()
⑦イスとケロリン洗面器を持ってシャワーの前に座る。
湯船に入る前に、体を洗う。間違っても湯船では「バブルバス」しない。
⑧体を洗ったら湯船へGO
熱かったら少し水を入れても良いけど、
ぬるくし過ぎると反感買うので注意
ちびっこタオルは湯船に入れない事![]()
⑨温まったり体を洗ったり、のぼせない程度に思う存分繰り返す。
「電気風呂」をあなどるな。心臓にチクッとするので注意。
・・・他に誰も居ない時は軽く泳いだりも可(モチロン極秘で泳げ)![]()
⑩最後にシャワーで良く流して、(
脱衣所をビチョビチョにしないように)
ちびっこタオルで水気を良く拭いてから脱衣所へ。
⑪着替えて髪を乾かしたら、ビン牛乳orコーヒー牛乳を飲んだり![]()
憩いスペースでまったりする。
⑫帰るときは番台のおじさんにご挨拶して帰る![]()
・・・そんな微妙な、ややtoo muchな?説明後、
Kさんはウキウキと男湯のれんの向こうに消えた。
1時間後、既に憩いスペースで頬を赤くしたKさんが牛乳を飲んでいた。
ニッポンの銭湯セレモニーが、なかなかお気に召した様子。ご満悦だった。
「銭湯セレモニー、ちゃんと出来たよ
歯磨きしてる人が居たよ
」
「レモンが浮いてたね
すごいねレモンのお風呂
」
Kさん大興奮・・。既にビン牛乳2本飲んじゃって。自然過ぎだよ。
その日はゆず湯だった。レモンじゃねーよ、ゆず湯だよKさん。
ゆず湯の銭湯、めったに入れないよ。アンタついてたね。
こうして銭湯デビューしたKさん。また確実に、ニッポン人になった
銭湯みたいな温かくて大事な文化が、この先も繋がってて欲しいと思う。
私達日本人も、Kさんみたいな異国の人も。
こういうこと、知ってて欲しい。知ってて損は無い。
昨夜の手ぶらお姉さんも、次はちゃんとお風呂セット持参して来いよ。
トリートメント位、いつでも貸してやるけどさ。
銭湯セレモニーを知らない方は、Kさんまで
もうニッポンに居ないけど・・・