「護られなかった者たちへ」 中山七里 (俺たちは日本人なんだ!) | 波のりたま の まったり散歩

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舞台は、未曽有の大震災に見舞われた仙台。

 

その復興後の、まさに、今。

残虐な殺人事件が起きる。

テープで巻かれ餓死させられた無残な死体が複数発見された。

 

単なる殺人事件ではない。かなりの怨恨が感じ取れる酷いものだ。

 

被害者たちの共通点。

それは、現役と元、福祉保健事務所の職員であったこと。

しかも、同一期間に同じ事務所に勤務していた。

 

彼らは、職場では、本当に部下思いの上司であり、

家庭でも、まじめなお父さんであり、夫であった。

 

それが、何故?

 

 

 

この小説は、現在の日本の社会保障制度に警鐘を鳴らしているんだ。

 

地方の社会福祉事務所では、厚生労働省から与えられた予算の範囲内でしか

社会保障給付金を支給できない。

 

一方で、その制度を利用し、不正に受給する輩がいる。

そして、その陰には、本来受給すべき人が受給できていない現実がある。

 

TVの特番だったか、生活保障を受けながら、高級車を乗り回したり、

パチンコをしたりしている輩が一部にいるようだ。

 

事実なら本当に残念だ。

 

 

必要な人に支給したくても国からの予算があり、予算を超えた支給はできない。

組織で働く以上は、上からの命令はマストだ。

だから、上だけを見て、事務的に仕事をこなす職員が出てきても不思議ではない。

彼らも仕事を全うしているのだから。

 

そして、そんな彼らの冷徹な態度が逆恨みを買ってしまう。

 

もちろん、必要な人に支給したくて、一生懸命歩き回っている職員だっていることも

忘れてはいけない。

 

 

そんな状況下での殺人事件だ。

 

予算に限りがある中、不正に受給している輩がいることも、もちろん問題だが、

国の制度に問題もあるはずだ。

 

この制度は弱者を救うためのもののはずなのに、

不正に利用している輩がいるなんて、

本来受給すべき人が受給できずに困窮し餓死してしまうなんて、

 

世の中、本当におかしいよ。

 

まずは、不正に受給している人、考え直して!

 

そこから始めないといけないなんて、

 

みんな、あの悲惨な被災時の振る舞いが賞賛された日本人なんだよ。

 

そして、国も、もっと現場を見て!

 

何とかしてくれよ!

 

何とかしようよ!