みなさん、こんにちは。
前回の記事はとてもたくさんの反響を頂いて嬉しかったです。励みになります。
今日は、子供とのコミュニケーションでとてもありがちな問題についてお話します。
まずはうちに実際に起こった出来事から。
娘が2歳で、まだこんなに幼かったある日のことです。
娘は朝目を覚まして寝室から出てきて、一言目に言いました。
娘「ちゃーちゃん(お母さん)、ビスケットたべたい。」
朝から何を言うのかと思えば、ビスケットとは…(笑)
当然、妻は応えます。
妻「朝からお菓子はダメ。ちゃんと朝ごはんを食べようね。」
娘「イヤ! ビスケットが食べたいの!」
妻「だから、おやつは3時になってから! 朝は朝ごはんを食べるんでしょ。」
娘「違うの! ビスケットが食べたいの! うわぁぁぁ~ん」と泣き出しました。
毎度毎度、幼子がいるご家庭で繰り広げられている風景ですね。当然妻は応えます。
妻「泣いてもダメ。朝からビスケットはダメなの!」
娘「ちーーーーーがーーーーーーうーーーーー。のんちゃんは、ビスケットが食べたいのーーーー!!。」
えらいヒートアップして、狂ったように泣き出しました。
普通ではないイライラ感が伝わってきます。
あまりに駄々をこねるものですから、ついには妻もイライラし始めます。
妻「もう知らん! 好きにしなさい!ビスケット食べたいなら食べたらいいわ!」とビスケットを差し出します。
「ちいいいいいいいいいいいがぁぁぁぁぁぁぁぁうううううううううううのっっ!! のんちゃんはビスケットが食べたいの!」
更に全身で感情を表して、「違う!」と主張し始めました。
ビスケットを食べたいというから、ビスケットを与えたのに、更に強烈に「違う!」と言いはじめました。まるで意味がわかりません。
妻「も~~~~何が違うんよ! ビスケット食べたらええやん!!!」
娘「ちぃぃぃぃぃぃぃがぁぁぁぁぁぁうううううううううううのっ! のんちゃんはビスケットがたべたいのっ!」
さらにヒートアップしていきます。
(以下繰り返し)
2歳の娘は異常な癇癪でビスケットを食べたいと主張しています。
ですが、食べていいと言っているのに、執拗に食べたいと言う。
これはいったい何が起こっているのでしょうか?
ここでは、お互いのコミュニケーションに根本的な食い違いが起こっています(ディスコミュニケーション)
この手の問題が、子育てではよく起こります。
娘はいったい何を言っているのでしょうか?
このコミュニケーションでは、何が食い違っていたのでしょうか?
みなさんも是非、時間を取って一緒に考えてみてください。
ちなみに、この食い違いを理解して適切な言葉をかけると、娘はあっけなく泣き止み、ビスケットではなく朝ごはんを食べ始めました。
少し時間を取って考えてみてください。
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シンキングタイム…
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はい。
考えていただけたでしょうか?
それでは答えです。
◆◆ 答え ◆◆
娘は最初、ビスケット食べたいという要望を伝えたのですね。
だから、当然親はそれはできないと応えます。
それ以後も娘の発している言葉は一貫して変わっていません。
ですが、メッセージの意味内容が変わっていってるのです。
最初は「ビスケットを食べたいからビスケットをちょうだい。」と要望を伝えていた。
でも、途中からは
「私は今ビスケットを食べたいと感じてる。私のこの気持ちを分かって。」ということを伝えているのです。
でも、それを要望と捉えると答えは終始「ビスケットはダメです。」あるいは「勝手に食べなさい!」になるのですが、
コミュニケーションは既に食べる食べないの次元には無いのです。
娘は終始、「自分の気持を理解して!」という思いを伝え、それが伝わらないことにイライラを表現しているのです。
そう思って、先のコミュニケーションを見てみましょう。
妻「も~~~~何が違うんよ! ビスケット食べたらええやん!!!」
娘「ちぃぃぃぃぃぃぃがぁぁぁぁぁぁうううううううううううのっ! のんちゃんはビスケットがたべたいのっ!」
深い次元でディスコミュニケーションが起こっているのがわかりますね。
そして、これさえ理解できれば、泣きわめいている娘を静かにする方法も分かります。
その言葉とは、
「おぉぉそうか~。のんはビスケット食べたいんか~。そっか~。美味しいもんなぁビスケットは。ふーん。のんは今ビスケットを食べたいんやな。」です。
実際にそのように娘の気持ちを受け止めてあげると、さっきまでの癇癪が嘘のように、娘は落ち着きを取り戻してご飯を食べ始めました。
子供とコミュニケーションを行う上で、こういったスレ違いはものすごく頻繁に起こっています。
「何かを買って!」「だめ! 買わないって約束でしょ。」という典型的なやり取りも、そうですね。
「子供の欲求→親の拒否」といった形で始まるコミュニケーションを、どこかで「子供の感情の吐露→親による受容と共感」というレベルに変化させていかないと、
親子の間に、いつまでたっても解消しきれない敵対感情がモヤモヤとわだかまり続けてしまいます。
その結果、お互いに心の底に小さな恨みを抱えて、親子の関係(特に長時間一緒にいる母子の関係)が悪化していくケースが多いのです。
◆◆ まとめ ◆◆
・「子供の欲求→親の拒否」から「子供の感情の吐露→親による受容と共感」へと、コミュニケーションを変化させていくことが大切です。
とは言っても、どうすればいいの…?
と、なっていることと思いますので、次回は具体的なケーススタディを使って、子供の無理な欲求に対処しながら親子の絆を深めるコミュニケーション方法について見ていきましょう。