オシム氏(その1) | 週末ガレージシェイパーのアルビレックス新潟観戦記

オシム氏(その1)



<スカパーのパラグアイ-日本戦終了後のコメントから抜粋>

※タイプ→テツオのため誤字脱字あり


倉敷「グラーツのオシムさんに明日の日本のためにまたヒントやアドバイスを伺おうと思います」
倉敷「私たちの日本代表、今日の試合はいかがだったでしょうか」

オシム「未来と言うものは過去におきた出来事によって作られるものです」
オシム「今日の試合は未来にとって、良い意味で『こういうことをしめしてはいけない』という見本でした」
オシム「今日の試合をひとことで言えば」
オシム「『自分たちが成し遂げたい一歩先のステップ』と『現在自分たちがいる場所』とのあいだの『中途半端な地点』で終わってしまったというところです」
オシム「これは日本だけでは、この試合だけではないと思いますけれども」
オシム「イーブンな条件で行った訳です。先に進みたいという意思のつよいパラグアイのほうが結果的にかすかな差ではあったけども勝ったということです。」
オシム「この試合の中でもっと改善すべきところはなにか、もっとうまくできたはずべきだったところはなにかということをもっと考えるべきです」
オシム「つまり『相手に勝たさないというサッカー』なのかそれとも『自分たちが勝ちたいというサッカー』なのか」
オシム「決勝トーナメントに進んでこのような勝つ可能性の高い相手と再び対戦するチャンスはめったになかったので非常に残念です」
オシム「まず準備の段階で、自分たちのプレイに自信をもっていなければ実際の試合が始まって勝つのは難しいです」
オシム「つまり信じるのか信じないのか、全員を信じるのか誰も信じないのか」
オシム「私の印象としては、カメルーン戦で勝った、良かったイメージを壊さないようにそれだけを大事にしようというような印象がありました」
オシム「それは簡単なことではないんです」
オシム「試合の前半は非常に良い戦術で始まったと思います」
オシム「パラグアイ相手に何もさせないんだという気迫とともに」
オシム「しかしその時に勝つために必要なことを全部したかと言うとそうではない。それは残念です」
オシム「十分に選手全員が考えていないつまり自分の力だけでゴールをあげることが出来るという誤解に基づくプレイがあったということです」
オシム「このようなプレッシャーがかかる試合ではそれはムリです。グループで突破しなければいけない」
オシム「残念です。ホントに残念です。こんな良いチャンスはめったにあるものじゃなかったのです」
オシム「まず教訓をどう引き出すか」
オシム「そしてこのワールドカップで日本は自信を手にしたことだと思います」
オシム「そしてこの自信を基礎にしてしっかり戦えば今後ワールドカップの予選を突破するのか突破しないのかということは問題にならない」
オシム「つまりワールドカップの本大会に出場してあたりまえのそういう日本として」
オシム「ワールドカップでどこまで勝ち進むのかを意識したトレーニングが出来る」
オシム「つまりそれを成し遂げるためには今日からかんがえはじめなければなりません」
オシム「あらゆる可能性のあることを考えて準備するわけです」
オシム「それからFIFAのルール委員会についていえば残念なことを言わなければならないのですが」
オシム「私は今日PK戦を最後までみてしまいましたが」
オシム「ワールドカップの試合をこのような形で延長戦のあと決着をつけるのがふさわしいのか。」
オシム「もっと良い方法があるとおもうのですが」
オシム「FIFAとルールボードはそのことを検討して欲しいです。」
オシム「90分プラス延長戦の120分を戦ったあとでルーレットのようなPK戦に臨まなければならない彼らの心境も考えて下さい」
オシム「まぁ私から言えば『こぼれたミルクは戻らない』ということわざがありますけども」
オシム「今日の日本はミルクをこぼしてしまった」
オシム「今日の結果をもってサヨナラしなければならない」
オシム「この結果は準備の段階からここまでしかこれなかったという結果だと考えなければなりません」
オシム「しかし、選手やスタッフはよくやったと思います」
オシム「それからサッカーファンでない人の目を開かせる戦いだったと思います」
オシム「一番の刺激は選手たちが自信を持ったことだと思います」
オシム「つまりチームの外で誰が何をいおうが自分たちがこうだと思った方向で準備をしてやれば結果は出るということです」
オシム「そして今回のワールドカップで言えばどんな強豪とも日本はかなり対等にできることが証明されました」
オシム「もう少しだけほんの少しだけ勇敢であれば勇気をもってリスクを侵すことが出来ればもっと良い結果を手にすることが出来たかもしれません」
オシム「私は日本史を少し読んだことがあるのですが、日本人は歴史を通じて勇敢さを保ってきた民族だと考えていました」
オシム「サムライの時代にしろ戦争中のカミカゼにしろ勇気がなければ出来るものではありません」
オシム「しかしサッカーではピッチのうえで命を失うことはないわけです」
オシム「もっとサムライのように勇ましく戦うべきだったと思います」
オシム「まぁ今日は選手たちは寝れるかわかりませんけども、明日から今後について考えて欲しい」
オシム「まず1勝したことで巻き上がった陶酔状態、これが正しかったのかどうか考えるべきです」
オシム「それを放置しておけば誤った方向に導きます」
オシム「もちろん注目すべき前進を遂げた選手は何人かいます」
オシム「しかし、ゴールをあげた選手だけが注目される」
オシム「そういう評論がまかりとおる日本のサッカーのレベルというのは」
オシム「メディアをも含めてもっとレベルアップしなければと思います。」