4月4日サッカー講座 | 週末ガレージシェイパーのアルビレックス新潟観戦記

4月4日サッカー講座

さてと、八木あかね ファンの方にはおまたせしました。

4月4日の横浜Fマリノス戦前に行われたサッカー講座。私は知らなかったのですが、今回のお題「Jリーグの試合における審判の1日」は、昨年度におこなわれた講座(私はいけず)と全く同じお題とのこと。「…もしかすると来年も同じかっ!?」という懸念もありますので、内容はかいつまんで程度にしたいと思います。(さすがに3年連続はねーかな?(笑))

さてさてこの八木あかねさん。
新潟県のサッカー協会審判委員会強化部長(なんかスゴイ肩書きだな(笑))ということで新潟県出身だと思っていたのですが、WIKIを見てみると大阪府堺市南区出身。…ナマリとか無いんで全く分かりませんでしたが、そうですかナニワの方ですか。どおりで話しが面白いワケだ。

講座の序盤は交代表示版(以外と重いんだね)や副審のフラッグ、そして試合で使う時計(アディダス)などを参加者に見せつつ、一つ一つの道具の利用方法などを説明してくれました。

そういえば皆さん、副審のフラッグって親指の位置にボタンが付いているってご存知でした?
こいつをオフサイドなんかのときに押しすと、主審の腕にまかれたバンドが音とバイブレーションで反応して知らせてくれるそうです。確かにこれがないとひろーいピッチの隅々まで注意を払っている主審は旗に気が付かないって事もあるでしょうね。
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良い遊び道具が来てうれしいの図。



Jリーグではプロの審判(それだけで生計を立てている方)が12人(主審11人、副審1人)いらっしゃるそうです。八木さんはサッカー協会員でもあるのでそうではないのですが、お仕事の傍ら、週末だけでなく時には水曜日にも全国各地のスタジアムで旗を振ってるんですよね。確実に職場の理解が無いと確実に出来ないっすねぇ。

というか、職場の理解がめちゃめちゃあっても、相当大変そうです。

なぜかと言うと単純に審判というお仕事は主審、副審どちらも相当走るから。
そりゃそうですよね、選手はFW、MF、DFと分かれていて基本その担当エリアは決まっていますが(中にはDFWの人もいますが)、主審はそんなエリアはありませんし、副審も最終(オフサイド)ラインと同じ位置にいなければ行けないのでカウンターの時なんかは必死で走らなければいけない。そして、フリーキックの時は壁の位置からゴールラインまで走らなければいけない。そして走りながらボールがゴールに入ったかなども判断しなければならない。当然、息をきらしてたんじゃ正確な判断なんて出来ないので選手なみの体力が必要となります。

この体力をつけるためにJリーグの試合を見込んで、計画的にトレーニングで体を作っていくそうです。


試合が1週間に1回の場合は…
休暇→小トレーニング中トレーニング追い込み→回復(移動)→試合リカバリ

1週間に2回の場合は…
小トレーニング中トレーニング試合小トレーニング中トレーニング→回復(移動)→試合


…ホント、アスリートと同じですね!
生活全てを審判にかけているんだなぁ、すごいぞ審判。偉いぞ審判。


このように試合を視野にいれて体のピークを持って行くだけでも大変ですが、いざ試合となると…これまたホント大変です。イベントを時系列で書いてみましょう。


<試合前日>
 試合は全国各地で行われるため、スタジアムが遠い場合は前日入りする。(当然かもですが、旅費は申請すれば出て、スタジアムへの距離数で前泊可能かの判断があるみたいです。どこぞの会社と一緒ですね。)


<試合2時間半前>
 会場に入る。規定では試合90分前に到着していれば良いとなっているそうですが、通常この時間に入って審判団でコミュニケーションをとるとのこと。ちなみに内容は普段の話しをすることもあれば「こちらのチームは前節こういう試合で…こちらのチームは現在第何位ということでこういう傾向があるので…、よって今日は…」という試合の運び方について話すこともあるという。

面白かったのはジャッジの仕方が主審の方によって違うこと。たとえばファールを副審がとると「わかってっわい!」みたいに機嫌が悪くなる方もおられたそうです(最近は副審が見やすい位置の場合はとった方が良いと言う風潮になってきているとのこと…あたりまえか(笑))。こういう勘所みたいなのもこの時間で確認するそうです。


<試合70分前>
 マッチコーディネーション。
審判、両チーム監督、実行委員そして運営者(大体は社長だそうです)が集まってミーティングを行う。


<試合30分前…だったっけな?正確な時間忘れ(汗)>
 ウオームアップ。これも芝の上で行う人とトラックや中のスペースで行う人と別れるそうです。(決まってないのか)


<試合開始>
 この説明はいらないかな?(笑)


<ハーフタイム>
 ピッチを後にする際に良く審判団が話しながら歩いている画を見ますが、やはりこの時に主審と副審は前半戦のジャッジについて話し合うそうです。ちなみに副審同士は互いに担当のDFラインがコートチェンジで交代になるので、ラインがどんな高さでどんな動きの傾向があるかを話しあうそう。しかしあんまり考えた事なかったけど、めちゃめちゃ会話してるんだなぁ。


<試合後>
 試合が終わっても簡単に「お疲れさま~」とはいきません。
終了後ミーティング30分~60分(主審によっては2時間かかることも(!)あるそうです)


<帰宅(もしくは宿泊)>
 なるべく選手団やサポーターと鉢合わせしないように帰宅。(やっぱけっこう気を使ってんだね)
自宅から遠いスタジアムの場合は、試合開始時間によっては宿泊しますが、会社勤めの審判の方の場合は理解がある会社に勤めている必要がありますね。ちなみに八木さんの場合、朝移動して次の日のお昼くらいから出社するそうです。(といっても朝5時半の列車に乗ってるんですよ!早起きなんですよ!と強調されてました(笑))


<最後に>
 毎試合毎試合、行ったジャッジの点数がつくそうです。
ちなみに、くだしたジャッジを批判をされることはないそうですが、ジャッジの仕方は批判される時があるそうです。たとえば、体力切れで居るべきポジションまで走れてないとか。しっかり近くで見てジャッジしようと言う意識が働いていないとか。うーむ、ただでさえ大変なのにいちいち行動を採点されるのか…精神的にも辛そうだねぇ。


・・・


さて、稚拙な文書に長々とお付き合い下さいましてありがとございます。
ここまで読んで皆さんはどんなことを思われたでしょうか。


正確なジャッジ。それだけのために、寡黙に体を鍛え、事前に両対戦チームの状況なども調査をし、審判同士だけじゃなく選手ともコミュニケーションをとる。


それでも時にはブーイングされ、正しいジャッジをしても全員からほめられるなんてことはまずない。そして最後には点を付けられて内容が悪ければJ2やJFLなどに降格される。


当然、ひいきのチームってのがあると、それよりの笛じゃないと「えー、なんでだよ~」って思うときは絶対にあると思うんだけど…、私は審判がこれだけの努力をしてより良いポジションでジャッジしている(またはしようとしている)んだから、その判断は尊重したいとホンキで思う。


まぁ、その努力が見えなかったらブーイングでも野次でも力の限りしよう。
そんな審判はJにはいないと思うけど。