今日はリングのサイズ直しをご紹介します。
リングのサイズ直しは最も多い加工依頼の一つですが、その加工内容はあまり知られていず、大きくする時は叩いて伸ばす、というように思っているお客様も多くいらっしゃいますので、実際どのようにサイズ直ししているかご覧頂きたいと思います。
こちらがお客様からお預かりしたリングです。どちらもK18でシェルカメオと、「昔のルビー」です。それぞれ#8→#14.5, #10→#13,とどちらもサイズアップです。
少し話がそれます。
この「昔のルビー」ですが、お客様が言うには大正時代のお母様の物で、昭和の大戦中にリングの貴金属部分を供出したため、大戦後に改めて作り直したものだそうです。
それにしても昭和初期の物であり、かなりアンティークな年代物です。
この、「昔のルビー」ですが、リフォーム依頼などで結構持ち込まれます。
実はこの大きく綺麗なルビーは合成ルビーなんです。
このルビーが流通した当時は宝石学も確立してなく天然、合成の区別もない時代背景であり、所有しているお客様は当然のように、「ルビー」として認識し後世にも残しています。
こういう時代背景を知っていれば合成ルビーであっても、単なる偽物、というのはどうかと、考えます。
シュアーズではこういう合成ルビーに対しては、当時の時代背景を説明し、誰もがルビーはルビーとして購入、所有していたという事実と、現在でいう合成石とは意味が異なる、という事を説明しています。
さて、サイズアップの場合は1度切断してサイズアップ分の地金を足してロウ着けするという作業になります。
まず最初に、サイズ直しの痕跡があるかどうかを探します。通常は標準サイズの11〜12と違っていれば大体サイズ直ししていると言えます。
その場合、切断面(ロウ着けした箇所)が必ずあるので、それがどこか探すため炎をあて加熱する事でロウ着け面を浮き上がらせます。
上のルビーは最初から見えていました。カメオリングは炎をあてて炙りでました。
その切断面をカットする事によりリングの強度低下を最小限に抑えます。
切断した後は、サイズアップ分の地金(K18)を母材より大きめにカットして、切断面に仮置きします。
そして、母材とプラスした地金を接合するために、ロウという合金素材を熱で溶かします。
高温の酸素バーナーでロウを溶かすので、宝石部分が熱でダメージを受けないように保護しなければなりません。シュアーズでは宝石部分を水没させる事により保護しています。
こうすれば宝石部分は絶対に水温以上にはならないので安全、確実な方法です。
ロウ着けして接合した直後がこちらです。ロウが溶けて母材とプラスした地金が接合されています。
プラス地金の余分にはみ出た部分をヤスリで荒削りします。
削ってでた地金の粉がこちらです。結構でます。貴重な資源なので回収して、後日精錬し
新たな地金に生まれ変わります。
荒削りの後はペーパーヤスリや、仕上げバフなどで綺麗に仕上げます。
仕上がり後がこちらです。サイズ直しした切断面などは見えないように仕上げます。
加工した周辺を綺麗に仕上げるのは当然ですが、シュアーズでは全体を綺麗にしてお返ししており、「綺麗になった」と喜んで頂いています。
今回のルビーリングはアンティークな雰囲気を損なわないため、敢えて仕上げすぎないように加減しています。
サイズ直しの加工代金は、サイズダウンは¥1800,サイズアップは¥1800の基本料に加え、地金のプラス料のワンサイズ毎¥800の加算が代金となります。
(詳しくは加工料金を参照して下さい。)
リングのサイズ直しございましたら、どうぞご相談下さい。見積もり無料です。
ご相談、ご来店、心よりお待ち申し上げます。











