赤坂匡介のイベント裏側レポート その２
映画『シュアリー・サムデイ』公開の一週間前に、「シュアリー・サムデイ・スーパー・サマー」というイベントが行われました！今回は、そのイベント２日前のリハーサルの様子をレポートしたいと思います！！！
■ ７月９日（金）「シュアリー・サムデイ・スーパー・サマー」 リハーサル
練習が行われたのは、都内にある「ON AIR 大久保スタジオ」。
まず正午から、イベント当日スペシャルゲストとして登場する菅野よう子さんと手嶌葵さんが練習を行います。
練習は、ストリングスのみなさんの音を合わせるところから始まりました。
＊楽器の準備をするストリングスのみなさん。
ほどなくして菅野さんが現れ、練習スタート！
音楽に合わせて菅野さんが足でリズムを刻みます。
左手には楽譜。
楽譜を見ながら、右手に持ったペンを指揮棒代わりにして、上下に振ります。
「チェロさん、ビオラさん。もうちょっとボリュームが欲しいかな」
途中で、菅野さんの声がスタジオに優しく響きます。
「きらびやかに、ふわーっと」
短い時間の中で、細かく丁寧に指示を出していきます。
まるでそれが魔法の言葉かのように、菅野さんが何かを言うたび、曲の持つ繊細さが際立っていきます。
小栗監督も以前、ある取材で、「菅野さんは、魔法使いみたいな人」と言っていましたが、その意味が少し分かったような気がしました。
やがて菅野さんはピアノに座り、ストリングスと一緒に演奏を始めました。
「こんな感じになります（笑）」
鍵盤とフタの間から顔を出し、ニコニコしながら確認する菅野さん。
和やかな雰囲気の中、ストリングスの方々の練習が終わると、続いて、手嶌さんがスタジオに入って来ました。
マイクスタンドの前に立ち、「よろしくお願いします」と、ご挨拶。
すぐに演奏が始まり、練習がスタート。
手嶌さんが歌い始めると、スタジオ内にいたスタッフと関係者たちの気持ちが、彼女の歌う姿に吸い込まれていくのが分かります。
気がつけば誰もが、手嶌さんの透き通った美しい歌声に心を奪われ、聞き入っていました。
ひんやりとしたスタジオ内に、手嶌さんの優しい声が何度も響き渡る中、無事に練習は終わりを迎えました。
手前：菅野さんが弾いていたピアノ。
奥 ：小さく見えるのが、手嶌さんが楽譜を置いていた譜面台。
このあとは、巧(小出恵介) with シュアリー・スターズの練習時間です。
＊シュウトのレスポール。
＊ユウキの改造ベース。
開始時刻が迫り、続々とスタジオに俳優陣が集まって来ます。
そして、全員が位置につき、リハーサルスタート！！
練習を重ねる中、どんどんテンションが上がっていく俳優陣。
今日までに何度か１人でスタジオに入ったという鈴木さん。
その演奏は、自身いわく「俺、去年の夏より上手いかも！」だそうです（笑）。
途中、ムロさんのベースの一部が壊れるハプニングもありながらも、練習は順調に進んでいきました。
演奏が終わるたび、誰からともなく「もう１回やろう」という言葉が飛び出し、休む間もなく、すぐに練習を再開するシュアリーメンバー。
結局練習は、退出時間のギリギリまで何度となく繰り返し行われました。
＊演奏終了後にスティックを上に投げるパフォーマンスを行うため、練習に余念がない鈴木さん！
そして最後に、演奏終了後の挨拶の練習をして、この日の練習は終了。
――その夜。
新宿某所で行われたムロさんのトークライブに、鈴木さんがゲスト出演しました。
＊開場前、打ち合わせをするムロさんと鈴木さん
そしてトークライブがスタート！！
まずはムロさんが１人で登場。
やがて、ムロさんがステージから鈴木さんを呼びました。
すると『シュアリー・サムデイ』の劇中音楽と共に、鈴木さんが登場！
２人のテンポの良い会話に、会場が大いに盛り上がる中、さらに、スペシャルゲストとして小栗監督が２人には内緒で登場！！
突然の監督の登場に驚きを隠せない様子のムロさんと鈴木さん。
ムロさんが「どうして突然来たの？」とたずねると、小栗監督はこう答えました。
「ぼくの映画に出てくれた２人は、ぼくからすれば自分の子供みたいに愛しい存在。だから、２人が出るなんて聞いたら、居ても立ってもいられなかったんだよね（苦笑）」
ぼくはふと、SSSSのイベント当日、司会を担当してくださったLiLiCoさんの言葉を思い出しました。
「『シュアリー・サムデイ』を見ていると、小栗監督がどれだけ役者を愛していたかが良く分かる。そして同時に、どれだけ役者に愛されたかが――。」
自他ともに認める相思相愛の３人が、撮影中の話で盛り上がる中、トークライブは無事に終わりを迎えました。
この２日後、おそらく彼らにとって最後の演奏の場になるであろう、「シュアリー・サムデイ・スーパー・サマー」が行われるのです！
（つづく）
赤坂匡介 （撮影現場ライター）