撮影日記：「綾野さん、鈴木さんクランクアップ」

　
8月19日（水）　撮影35日目①

シーン90、ショットバー「FOOL MEN」店内。

台本にそう書かれたシーンを終えると、鈴木さんと綾野さんがクランクアップです。それはタクミたちが、店内で様々な思いをぶつけ合うというシーンでした。

＊じっくりとシーンを作っていきます。



撮影は順調に進み、２人の演技が終わるときが迫ってきます。

午後７時。

小栗 「カット！　オーケー」

続けて助監督の山下司さんが「後藤和生役の鈴木亮平さん、岩崎秀人役の綾野剛さん。クランクアップです！」と、２人の夏の終わりを告げました。

「もう終わりなの？」 と言わんばかりのきょとんとした表情で立ち尽くす鈴木さんと綾野さん。

その後、小栗監督から２人に花束が贈られました。

花束を受け取った鈴木さんと綾野さんは、撮影の残る小出さんと勝地さんと抱き合い、エールを送っているようでした。

次の瞬間！

突然スポットライトが勝地さんを照らしました。

「えっ？」

驚く勝地さんを尻目に、スタジオ内に音楽が流れ始めます。

「Happy birthday to you♪……」

この日の翌日、8月20日は勝地さん23歳の誕生日でした。しかし20日は撮休だったため、１日前倒してお祝いをすることになったのです。

ケーキに灯ったロウソクを勝地さんが吹き消します。

大きな拍手の中、小栗監督からキャストとスタッフからお祝いコメントが書かれた寄せ書きを渡します。

勝地 「えーと、クランクアップじゃないのであれですけど、何て言うか、こういうのは初めてだったので…すごく嬉しいです」

と、照れ臭そうに話す勝地さん。

その後、鈴木さんと綾野さんは、スタジオにいる全てのスタッフたちに「ありがとうございました」と挨拶をして回っていました。

２人に、撮影の感想を聞いてみました！

――この映画に参加した今年の夏は、どんな夏になりましたか？

綾野 「僕にとっては、今までの人生の中で、高校３年の夏が人生で最高の夏だったんだよね。本当に楽しくて、今でもすごく思い出に残ってる。でも、『シュアリー・サムデイ』に出会えたことで、その頃と今を比べる必要なんてないんだなと思えた。もし振り返りたくなったら、いつだって振り返ればいいんだって。そういうことを教えてくれた作品、仲間たちに出会えて、今本当に幸せな気持ちでいっぱいだなあ」

＊宮城役の横田栄司さんと、想い出のシーン。


普段クールな綾野さんが、クランクアップ直後ということもあってか、高揚した様子で本作に関われた喜びを語ってくれました！


続いて鈴木さん。

鈴木 「人生で一番暑い夏でした。こんなに熱くさせてくれた監督に感謝してます！」

＊監督と。


どこまでも爽やかで、清々しい雰囲気が、悔いのない夏を送ったことを教えてくれました！

スタジオから遠ざかる２人の背中は堂々としていて、何だかとても大きく見えました。


赤坂匡介 （撮影現場ライター）