体育は苦手だった。
ちなみに女子高だったから、当然更衣室はなく、全員教室で着替えをしていた。
着替えの時も特にクラスメートに注意を払う事なく、普通に脱いだ制服を畳んで椅子の上に置き、運動着とブルマーとスポーツシューズ姿で移動して、教師の指示に従って各種のスポーツを行っていた。
ただし私は太めで運痴だったので、体育は大嫌いだった。
好きだと言えたのは、水泳のみ。
自由に泳いで良い時間帯を授業中に設けてくれたりした時は、延々泳ぎっぱなしで、最大300m程度、休憩なしで泳いだ経験がある。
水泳の着替えの時、一度だけ困った事がある。
中2から眼鏡を掛け始めた私は、高2の初夏に視力がまた変化して、眼鏡を新調した。
で、当然、水泳の授業中はロッカールームに、制服と共に眼鏡を置いていたが、ロッカールームの造りが個別に服を置けるボックス様ではなく、仕切りのない棚に適当に置くようになっていた。
戻ってきてすぐ取れるように、眼鏡を制服の手前、棚の手前の方に置いておいたら、帰って来て眼鏡を取ったら形が違うし度が違う。
とりあえず自分のではなくて、度が合わない別眼鏡を掛け、昼休みに自分のクラスと、合同授業だった隣のクラスにもメガネのことを尋ねてみたけど、新品の眼鏡を手離したくなかったんだろう、誰からも反応はなく、結局眼鏡は帰ってこなかった。
どうしようもなく、眼鏡は作り替えることになったが、学割があるとは言え、2月連続2万円、合計4万円の出費で、家族に大目玉を食らった。
私のせいじゃないのに、この時の大目玉は極めて理不尽だと、今でも思う事がある。
その後は用心して、眼鏡は必ず制服の隙間に押し込むか、制服の上着で包んで、見えないようにして置く癖がついた。