ボート部の1日は、まだ夜が明けきらない早朝練習から始まる。朝5時台に起床し、琵琶湖の静かな水面を前にスタートを切る。最初は眠気との戦いだったが、体がリズムに慣れるにつれ、早寝早起きのサイクルが自然と整っていった。日中の授業にも集中でき、生活全体の質が格段に上がったのを実感している。
朝の空気は驚くほど澄んでいて、練習後に見る朝焼けは格別だ。太陽が昇る瞬間、仲間と同じ方向を見つめながらオールを握ると、「今日も頑張ろう」と自然に気持ちが前向きになる。体調面でも、十分な睡眠と規則正しい食生活が筋力や持久力の向上につながり、怪我の予防にも効果的だ。
また、早起きはメンタル面にも良い影響を与える。朝から活動的に動くことで1日の主導権を握り、自己管理能力が磨かれる。ボートはチーム競技であり、誰かが遅れると全体のリズムが崩れる。そのため、早寝早起きを徹底することはチームへの責任感や協調性を育てる行為でもある。
ボート部で身についたこの生活習慣は、社会人になっても強みになるはずだ。朝の静けさの中で自分と向き合い、仲間と力を合わせて一漕ぎずつ進む。この積み重ねこそが、心と体を整える最高のトレーニングだと思う。