紫に色づいた空、まだ帰らない月、湯気が立ち上る水路、冬の朝ですね。船を漕いでいると寝坊した太陽がおはよう光線を浴びせてきて、目潰しされます。サングラス?そんなものでは太陽にかないません。スピコーを見るのは諦めるしかなさそうです。
冬季練に入りました。女子クォドが解体されシングルに乗っています。初めて、シェル艇のシングルでドキドキした初日は忘れません。いや、今でもドキドキしているな。
初日は本当にぐらぐらしていて漕げないっていうところからはじまりました。キャッチ姿勢がとれない。オールが水面から離れない。なにもしなくてもぐらぐらする。こわい。こんな船漕げるわけないやろ!と思いもしました。水上でプカプカしていると、少しずつ慣れていって二、三回漕いで止まるぐらいまでにその日はなりました。壁に当たりそうになる、手からオールが離れる、ガタッと傾く。生きた心地がしなかったです。心の中で5回くらい沈しました。大艇では気づかなかった体幹のぶれや、自分の漕技のいたらなさに気づけました。シングルでスカラーとして成長するぞー!と決意しました。艇庫に沈せずにもどると戦地から帰ってきたぐらい無事でよかった!と言われました。大げさだなぁ、。
2日目、多少なら連続して漕げるようになりました。それでもまっすぐに進めなくて、漕げるというより水面でばたばたしてました。キャッチでは前に出れない。ホディスウィングもとれない。レンジが短く、まえどまりが酷かったです。この日は心の中で7回沈しました。
3日目、四回生の先輩がチャリ番してくださっていっぱい助言をもらい、4日目で杉藤さんからアドバイスをもらいました。
ぐるぐるぐる永遠と水路をまわるシングル。ぐるぐるぐるずっと頭をまわる助言。ぐるぐるぐるセットからセットへ。ぐるぐるぐるなる空腹のお腹。ぐるぐるぐる。ぐるぐるぐる。
今日(五日目)心の中で3回沈しましたが、シングルスカラーのはしくれまで進化できました、たぶん。課題は琵琶湖の水のように無尽蔵にあるので日々邁進していきたいと思います。
本当に危なっかしい船の面倒を寒い中見てくださって、さらに応援とためになる話、助言をしてくださったスタッフさんには感謝しかないです。スタッフさんは偉大。シングルスカラーに進化するため日々頑張ります。これからもよろしくお願いします!
追記
シングルに上手く乗れない話ばかりをしましたが、とてもシングルが好きです。
大艇と比べて小回りが聞いて、出し入れがしやすいぶんより船に乗れます。さらに、軽いので膝への負担がましです。大艇では何が原因でバランスがとれないのか、進まないのかイマチチ分からなかったのですがシングルでは浮き彫りになります。その分悪い癖が直ると漕いでいる時に違いがわかります。そして、ここだけは今日直そうとモチベになります。自分にあった技術練を好きなときにできるのもいいところですね。今回シングルに乗れてとても嬉しいです。
シングル最高!