私の息子は、いわゆる療育園へ入園したものの、年少の半分が終わった頃に、普通の幼稚園へ転園しました。
そもそも、私はフルインクルージョン(完全統合教育)に賛成です。
(その理由は以前、こちらの記事に書きましたのでご覧ください↓)
支援級か普通級かで迷ったら◆普通級(フルインクルージョン)の利点◆
それなのに、どうして最初に療育園に入園させたのか・・・
思い出してみました。
まず一つに、幼稚園の願書受付から入園までに半年近くあることです。
幼稚園の願書受付や面接の時点では、ABAの個別セラピーを始めたばかりで、息子は幼稚園という集団に入れるには時期尚早でした。幼稚園の体験や遊びの会は、とても早い時期から始まっているところもあり、その頃の様子を見ていた先生方からは、遠回りに療育園を勧められました。
10年ほども前のことなので、幼稚園をはじめ、世の中すべてが今ほどインクルーシブ教育へ理解がなかったように思います。
その状態で、普通の幼稚園へ入園するには相当の働きかけが必要で、当時の私の努力不足もあり、療育園に行く選択をしました。療育園に行かせずに、自分でABAセラピーをすることもできたのですが、正直、自分の時間が欲しかったという気持ちもあったと思います。
ですが、この時期の半年の成長はとても大きいもので、実際に入園する4月ごろになると、普通の幼稚園でも適切な補助があれば参加できるかもしれない、と思えるくらいになっていました。
かといって、既に決まっている療育園の入園を覆すことはできず、そのまま療育園へ入園になりました。
療育園のクラスは、言葉の面や行動面で、息子の見本になってくれる子が2~3名程度しかいませんでした。先生から出された指示をきける子もほぼいない状態でした。
息子や私に接してくれる先生方やお母様方はとても優しく、居心地はとても良かったのですが、ABAセラピーで息子が習得した社会性を般化できる場所ではないな…と割と早い段階で薄々感じていました。
でも、簡単に転園はできませんし、普通の幼稚園という未知の世界に行くのには恐怖があります。
悶々とした状態で一学期が終わり夏休みになりました。
ちょうど私が体調を崩していたこともあり、思い切って普通の一時保育に息子を入れてみることにしました(その頃は今でいうデイサービスのような施設はなく、普通の子を預かる施設です)
思った通り息子は崩れパニックなどもあったのですが、意外にも先生たちの対応が良く、定型発達の子どもとも関われる時間が多いことに驚きました。
そして、短い期間でしたが、息子のことばの成長が促されたのです。
それを機に、真剣に転園先の幼稚園を探しました。
転園先の幼稚園は、色々と迷いましたが、決め手は『息子を受け入れたいと思ってくれていること、自由保育過ぎず、ある程度のアクティビティがあり社会性を学べること』でした。
転園先の幼稚園で、クラスのお母様方にした自己紹介は今でも覚えています
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「息子は発達障害があり、これまで療育園に通っていました。ですが、療育園や医療機関との話し合い、そして親の希望もあり、今後はこちらの幼稚園でお世話になることになりました。息子は、まだ言葉も遅れていますし、思い通りにいかないことがあると、手が出てしまうことがあるかもしれません。ですが、言葉を促し、他害行動をなくすためのトレーニングを専門家と一緒に行っているところです。このような話をすると、しんみりしてしまいますが、障害があろうと、楽しんで子育てをしようという気持ちは、皆さんと同じだと思っています。ですので、親子ともに仲良くしていただけると嬉しいです」
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幼稚園時代のママ友に、つい最近になって
「あの時の自己紹介に感動して、仲良くなりたいな~と思ったんだよ」
と言われました。
あの時、自分の気持ちや息子のことを正直に真摯に話したのは正解だったんだな…と今になって思うのです。
もちろん、幼稚園生活がすべてうまくいったわけではありません。すごく大変なことも沢山ありました。
ですが、フルインクルージョンの礎に、少しでもなれたのなら嬉しく思います。
世界的にはフルインクルージョンで、できる限りの環境設定とフォローをするのがスタンダードです。
日本も早くそんな日が来るといいな、と思います。
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