Q オーナー社長からの借入金を放棄する方法と資本に振り替える方法があると聞きました。どのような違 | SUPPORT SOURCING

Q オーナー社長からの借入金を放棄する方法と資本に振り替える方法があると聞きました。どのような違

Q 当社は財務状況が悪く、改善を図りたいと思っています。その方法として、オーナー社長からの借入金を放棄する方法と資本に振り替える方法があると聞きました。どのような違いがあるのでしょうか?


 借入金の放棄と資本への振り替えでは税務上の取扱いが大きく違ってきます。

 借入金の放棄の場合、放棄した金額分だけ債務免除益が計上されるため、この部分については当然に課税されてしまいます。しかし、財務状況が悪いということですので、繰越欠損金の範囲内で放棄するのであれば実質課税されることはなくなります。

 資本への振り替えの場合、税務上課税されることはありません。ただし、債権の現物出資をすることによって資本を増やす形になるため、500万円超の振り替えをする場合は弁護士等の専門家の証明が必要になるため余計なコストがかかることになります。

 どちらの方法をとるにしても自己資本比率は上がり、財務状況は改善されます。
 どちらの方法をとるかは、会社の財務状況を考えると、振り替える金額や繰越欠損金の額などを考えて、より資金の流出の少ないほうをとるべきだと思います。
 
 ただし、当たり前のことではありますが、数字上改善されるだけで、実質は何も変わりません。
 売上を伸ばす、コスト下げるなどの方策を考え、利益を生む体質にしなければ意味がありません。
 見た目上の財務指標の改善よりも、会社経営の中身を根本的に見直すことのほうが得策だと思います。