Q 事業場に過半数加入労働組合がない場合の労働者代表との協定で注意すべき事項は? | SUPPORT SOURCING

Q 事業場に過半数加入労働組合がない場合の労働者代表との協定で注意すべき事項は?

Q 事業場に過半数加入労働組合がない場合の労働者代表との協定で注意すべき事項は?


【労働者代表とは】
 労働者代表は「労働者の過半数を代表する者」が該当します。平成11年4月1日施行の規則において、労働者代表は次のいずれにも該当する必要があります。
1.法第41条第2号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと
2.法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方 法による手続きにより選出された者であること

次に労働者の範囲ですが、すべての労働者を対象とします。つまり、管理監督者、年少者、休職者、パートタイマー、アルバイトなどすべてを基礎として過半数を代表とします。ただし、派遣された労働者は雇用契約関係がないので対象外となります。
例えば、裁量労働の労使協定で、裁量労働の対象者から過半数代表者を選出するのではなく、関係のない労働者も含む事業場全体から選出しなければなりません。

【労働者代表の任期は】
労働組合があれば、組合の代表者の任期中は労使協定締結の当事者ということで問題ありませんが、このケースの場合は、原則としてその都度選出することが予定されています。しかし、その都度選出していては手続き上のわずらわしさもあります。
したがって、1年間の任期で代表者を選出することを制度化して、これを社内規定として確立しておくことが望ましいと思います。こうすれば任期制にすることの法的問題はないと思われます。

【労働者代表の同意と労働契約は】
注意しなければならないのは、労働者代表といっても個々の労働者の代理人ではないということです。あくまで労基法上定められた代表者選出手続きに基づき、個々の労働者の代表者選出意思に基づいて選出された代表であるのです。法的に執行権をもった代表者というわけではありません。
また、使用者は労使協定を締結することにより、労基法上禁止されていることなどが解除されたに過ぎず、これをもって個々の労働条件を強制的に変更できるというものではありません。
例えば、三六協定において、当該協定を締結したから残業命令ができるのではなく、残業義務が発生するかどうかは個々の労働契約に基づきます。つまり、労基法では1日8時間、週40時間労働を原則としており、労使協定の締結により、当該原則を解除したわけです。したがって、残業させるかどうかは個々の労働者との合意になります。労働者との合意は労働契約、就業規則などの定めによる必要があります。