Q 振替休日と代休の違いと留意点は何ですか。 | SUPPORT SOURCING

Q 振替休日と代休の違いと留意点は何ですか。

Q 振替休日と代休の違いと留意点は何ですか。


日常、この2つを混同して使っている会社がありますが、法的に大きく差異があります。振替休日は休日を他の労働日に振り替えることをさします。例えば、日曜日が休日の場合、翌日の月曜日と振り替えるということは、日曜日を労働日とし、月曜日を休日とすることになります。この場合、日曜日は労働日なので日曜日に労働させても休日労働にはなりません。したがって、休日労働手当の支給は不要です。月曜日は休日になるので、月曜日に労働させると休日労働ということになります。

振替休日の要件は、
・ 就業規則に規定する。
・ 事前に振替日を指定する。
・ 労働基準法の休日の要件をみたす。
などがあります。
 
次に代休ですが、事前に振替をせず、休日労働の代償として他の労働日に休みを与えることをさします。前記の例だと、日曜日に労働させ、その代わりに月曜日に休ませることになります。この場合は、休日である日曜日に労働させたという事実から休日労働となり、休日労働手当を支給しなければなりません。

代休の場合の休日労働手当をいくら支給するかも問題です。多くの会社では、割増手当分だけ支給しているケースが多いようです。例えば、日給1万円で割増率が3割5分の場合、3,500円支給するというケースです。つまり、休日労働1日分は13,500円ですが、代休で1日分の10,000円控除、差し引き3,500円支給すれば足りるだろうということです。

しかし、先の話で代休日はあくまで労働日です。労働日に休ませているのだから、労働者に働く意思があれば、強制的に休業させていると言えなくもないです。そうなると使用者の責に帰すべき事由による休業ということで、休業手当の支給要件に該当してしまいます。こうしたことを避けるために代休日は賃金を支給しない旨を明確に就業規則に定めなければなりません。したがって、3,500円の支給で問題ないことになります。

3割5分の割増率は法定の休日労働に適用されます。つまり、週1回の休日または4週4日の休日労働の場合に適用されます。週休2日制の場合の1日の休日には適用されません。この場合は、週法定労働時間の40時間を超えると2割5分の割増を支払わなければなりません。ですから代休をその週内に与えれば、週労働時間は変化しませんので、割増は不要となります。

できるかぎり計画的な休日と労働日を設けることが業務の効率化をすすめます。そのためにも代休ではなく、振替休日制度を整備して振替休日を優先させ、代休はやむを得ない場合のみと従業員が認識する風土を築いておくことが望ましいと思います。