こんにちはニコニコ

   

 

日本ではまだ情報の少ないハイパーレクシアについて、英語でリサーチして有益だった情報と、それを利用したおうち療育について発信しています。 

 

今回は少し休憩ということで、私の息子についてお話しようと思います。

 

幼稚園時代、息子が児童発達支援に通っていたことはあまり周りの親御さんたちには話してはいなかったのですが、「自分の子供が心配で幼稚園の先生に相談したけど問題ないと言われた」とか、「療育施設に問い合わせたけど、病院の診断が必要だから諦めて本を読んで勉強している」とかそういう話を数名から聞きました。そういう話を聞くと、私は少しでもお子さんに困っていることがあったり親として心配な部分があったりするならば、ぜひ療育施設につなげてほしいなと思うんです。

 

よく、子供に“発達障害”という診断が下るとショックだとか、無理にでも普通級に入れたがる親御さんがいるとか聞きますが、私は全く共感できません。自分の子供が困っているのに、手助けをしようとしないほうが親としてどうかと思います。

もしそういうことで悩んでいる方がいたらぜひ踏み切ってほしいと思い、今回は私の息子のケースを紹介します。

 

 

 

まず、息子は出生時に泣き始めるのが遅く、生まれてすぐにGCU(よく聞く新生児集中治療室/NICUから回復した子などが入る入院施設)に連れていかれ数日間酸素が出るカプセルみたいなものに入っていました。

母子手帳には「呼吸障害」と書かれ、のちにこれが「新生児仮死」というちょっとギョッとするような名前の症状であったことを知りました。。。

 

これ自体が彼の発達に直接関係あるかは分かっていませんが、上記のような状態だったので、出生後に1週間入院したのち、経過観察ということで3~6カ月を目安に小児科の先生の診察を受けていました。主治医の先生からは何かの影響が脳に出る場合もあるし、全く出ない場合もある、という説明を受けていました。

 

GCUにいる間、数日間で酸素の補助が取れたあとは、軽い黄だんの症状が出た程度で母親より2日ほど長く入院する程度で済みました。退院以降も、特に何の問題もないまま1年が過ぎ2年が過ぎたくらいの時です。2歳になってもなかなか言葉が出ていませんでした。二語文なんて皆無で、言える単語は数えられるほどでした。その頃から、この定期診察の度に言葉の遅れを相談しましたが、「第一子だから」「きょうだいがいないから」「男の子だから」「少ないけど言葉が、0ではないから」「大人が言ったことは理解して行動できているようだから」などと言われ、ずっと様子を見ましょう、と言われ続けました。

 

母子手帳に当時、話せる言葉をメモしていました。

2歳0か月 10語

赤、1、5、10、ピザ、くつ、ガタン、ついた、かあしゃん、もっかい(=もう一回)

2歳3カ月 27語

赤、青、1,2,5,7,8,9,10、「あいうえお」、「かきくけこ」、来た、出た、終わった、切った、あった、居た、やったー、チーター、あれ?、これ、あれ、あっち、こっち、ぶうぶう(=車)、ピーピー(=バックする音)、あわあわ(=泡)、

 

※記憶があいまいなのですが…、2歳0カ月時点の単語も引き続き言えていたのか、、、話さなくなったのかが不明です。メモはこのような感じでした。

※ググってみると2歳だと300語くらいが目安ようなので、どっちにしろ少ないほうですよねあせる

 

その後もだんだんと、増えてきてはいます。

今思えば、この頃にはハイパーレクシアらしく、数字や文字が強くなってきている感じがありますね↓↓

2歳5カ月

約76語(数字やひらがななどの文字を除く)

 

0~100、120、180、

あいうえお表(濁点・半濁点以外)、カタカナ表、A~Z

黄色、ピンク、黒、オレンジ、

自分の名前

大きい、小さい、上、下、もっと、

母ちゃん、とと(=お父さん)、ばーば、じーじ、じいちゃん、ばあちゃん

アンパンマン、パーシー、ゴードン

 

おうち、おんぶ、だっこ、ペン、パンツ、バス、新幹線、橋、にんじん、だいこん、かぼちゃ、ゼリー、ちょうちょ、耳、目、鼻、口、手、足、ペンペン(=ペンギン)、ぞう、蟻、ハンバーグ、ハンバーガー、肉、ミルク、お茶、石、水

 

ない、できた、開けて、(ごちそうさま)でした、いた(だきます)、(お)かえり、こんちは、おっとっと、ねんね

 

ニャー(=ねこ)、ガタンガタン(=電車)、シュッシュポー(=汽車)、ピーポー(=救急車)、ウ~(=パトカー)、ウ~カンカンカン(=消防車)、カンカンカン(=踏切)

 

ポン、スルスル、ガオー、チョキチョキ、ペタペタ、ぎゅ~、ピッ、ガッシャン、グルグル、コロコロ、ポイ、とんとん

 

二語文 3つ

とと、ねんね =「お父さん寝てる」

赤(青)になった =信号が変わった時

○○こっち =場所を指示する時など。例:母ちゃんこっち。

 

 

確かにゆっくりですが成長は見られますけど、まだまだこんな感じで二語文もやっと少し出てきたくらいだったので、約2歳半の夏に再度、定期診察の際に相談しました。主治医の先生から「どうしても気になるなら言語聴覚士の先生を紹介するから、専門的に判断してもらってください」と渋々な感じで、検査を受けさせてもらうことになりました。

 

ついに待ちに待った検査です。言語聴覚士の先生が親である私たちに普段の様子を聞きいたのちに、息子本人にいくつか質問をしたり、遊んでいる様子を見たりしていました。今思えばこの時の検査は、いわゆる正式な検査ではなく、先生による問診程度だったと思います。その問診の結果は、簡潔に言えば、「問題なし」でした。

 

当時は、2歳半で幼稚園のプレ保育(未就園児クラス)に週1で通っていた頃でした。集団の中では、みんなが歌ったり踊ったりしている時に黙って見ているだけとか、保育中はほとんど言葉を発しない、などの様子を担任の先生から聞くことはありましたが、トラブルを起こすようなことはありませんでした。そんな様子を言語聴覚士の先生に話すと、「慣れるまでは時間のかかる性格のようだから、幼稚園選びの際には少人数の所を選ぶのがいいかもしれませんね」「幼稚園に毎日通うようになって集団生活でまた困ったことがあったら、相談にきてください」という感じで終わりました。確かに、今でも家では癇癪を起したりスネてしばらく手が付けられないことはありますが、外ではお友達とトラブルになるようなアブレッシブなタイプではないので、問題視されなかったのだと思います。

 

ただ、当時は小児科の先生だけでなく、言語の専門家である言語聴覚士さんから「大丈夫」と言われたことで少し安心し、その後は絵本の読み聞かせなどを増やしたりする程度の対策で、しばらく過ごしていました。
 

そんな中、幼稚園の年中の年末を迎えるまで、様子見の診察は続いていました。確かに、その頃も幼稚園の集団行動に問題があるわけじゃないし、楽しそうに通っているし、お友達とも一緒に遊べているようで、問題のないように思えました。(本人から幼稚園で何をしたとかの話はしてこないので、実際は分かりませんが幼稚園からトラブルの連絡が来るようなことはありませんでした)

小児科の定期的な診察でも、まだ言葉は少ないが、「前よりも言える言葉の数が増えている」というのがポイントとなって、具体的な対策もないまま、ずっと様子見でした。

 

しかし、小学生に上がるまであと1年ちょっとというところで、幼稚園や習い事で会う息子の同級生のおしゃべりと比べると、息子は全然おしゃべりができていない状態のように思えました。

発言がないわけではなくむしろ結構ずっとしゃべっている方なのですが、言葉の並べ方が問題なのか、正確ではない言葉を話している様子もあり(赤ちゃんで言うと喃語のような、通称“宇宙語”とも言われる話し方をこの頃もしていました)一番近くにいる親でも何を言っているか理解できないことも多く、このタイミングで改めて小児科の定期診察の際に相談しました。

 

幼稚園では、鬼ごっことか積み木遊びとか、会話を必要としないお友達とのやり取りが多いので困っていないだけで、今後小学校に上がった時に、もっと複雑な遊びをしたり、会話を楽しむ場面が出てきた時に、絶対に本人が困る、もしかしたらイジメに発展するかもしれない、と思ったんです。

 

男児を2人育てた義母に言葉の遅れの話をした時があり、「自分の長男の時も同じで言葉の学校に少し通っていた過去がある」という話を聞きました。“言葉の学校”が何を差すかはハッキリしなかったのですが、当時の私はそんな所があるんだなと単純に受け取り、小児科の定期診察の際にこう相談しました。「様子見が続いているけど、やはり言葉の遅れが気になるので、言葉の学校みたいなものがあるなら行きたいです!専門家を紹介してください」とお願いしました。するとやっと小児科の先生も、じゃあ正式なテストを受けてハッキリさせましょう、みたいになりまたもや渋々、言語聴覚士の先生につなげてもらいました。

 

 

 

少し長くなってしまったので、続きは次回にさせてください。

その後に受けたテストの種類や結果をお話したいと思います。

 

結論から言うと、このテスト後にやっと児童発達支援(療育)につながることになります。改めて、この時に粘って療育施設に通えることになって本当に良かったと感じています。“ハイパーレクシア”という言葉に出会うのも、このあとです。

それではまた次回。

 

 

 

 

最後のおうち療育の一例を。

ハイパーレクシアに限らず発達支援でよく用いられる方法で、スケジュールを可視化するというものがあります。私は、絵や工作が苦手なのでネットで購入しました。この作家さんの絵がとても可愛らしくて大変気に入っています。

商品の到着時、子供にこれを見せると、楽しそうに一緒に準備してくれて、絵の上に時間まで書いてくれました。そこはやはり数字大好きハイパーレクシアの彼。年少くらいから時計は読めるようになっていたので、彼としては具体的な時間が書いてあるほうが飲み込みやすいみたいです。ただ、こんなに細かく時間を区切ってしまうと準備がうまく進まないことも多く、それを達成できない自分にイライラして癇癪を起すなんていう逆効果もあったので、皆さんも活用の際はご注意くださいw