ハイパーレクシアのことについて知りたくても、日本語で調べただけでは、特徴を説明するものはあっても、じゃあどう支援ればいいのか、という将来のことが何も見つからなくてずっとモヤモヤしました。
困った末、英語でのリサーチに踏み出したところ、知りたい答えを見つけられたような気がしました。
今回のブログでは、私が英語でリサーチした中で、いちばん参考になった文献を3つ紹介をしていこうと思います。
長くなると、読むのも大変だと思うので(書くのも大変なので
)、詳しい中身はまた別の記事で。
英語が読める方は、ぜひご自身で読み進めてみてください。
①Reading Too Soon: How to Understand and Help the Hyperlexic Child (直訳:早くから読める:ハイパーレクシアの子供を理解し助ける方法)
こちらは、別のブログで紹介していた日本人の方がいて、それを見て私も知りました。
実はこの本のPDFがネットに上がっているのですが、それが正規のものがどうか分からなくて、この場で紹介するのは避けますが、皆さんも検索すればネット上で読むこともできます。
1993年にアメリカのイリノイ州(当時)にあるCenter for Speech & Language(直訳:発話と言語のセンター)の職員の方が執筆したものです。
これを読んで初めて、「自分の息子のことそのものだ!」と腑に落ちた内容でした。
日本でも翻訳版を出したら、絶対に買いたい人は結構いるだろうにな、と感じるくらいでした。私も一応翻訳者をしているのですが、書籍の翻訳は本業ではないので、出版に向けての流れも分からず行動に移す勇気も出ず、こうしてひとまずブログにしております。関係者の方がいたらぜひ、ご協力いただきたいところです、、、
20年以上前の本ですが、古さは全く問題ありません!ハイパーレクシアの特性が細かく丁寧に説明されています。
実際にハイパーレクシアが疑われる子を集めて、実験したものの記述もあり、信ぴょう性もあります。
また別機会に詳しく触れますが、この本の中で一番衝撃を受けた事実は、教えてもないのに5歳未満で文字を読める子は皆、ハイパーレクシアの疑いがある、ということ。そして、これらの子は読むことはできても話し言葉を理解してないことが多く、発する言葉も丸暗記が多いということ。
うちの息子も言葉に違和感があるのは、文章を丸暗記して使い回しているからだと、腑に落ちました。
しかし、その短所を逆に利用して、例文を丸暗記して覚えられれば、日常生活のコミュニケーションに応用できるはずです!という考えのもと、うちでは具体的な例文を記して、その時々に、習得してほしい言葉を壁によく貼っています。
最近、テレビ近くに貼ってあるのがこれ。↓
きょうだいでテレビゲームをしていて、自分が負けると悔しくてゲームが最後まで終わる前に黙ってリセットボタンを押してしまい、きょうだいゲンカ耐えず、親から口頭で何度も注意しても聞かず、視覚支援にすることにしました。
リセットしてはいけないと否定するのは違う気がするので、相手と相談しようということで、具体例として「やり直してもいい?」という文章を言おうね、と記しました。
理想通りにいかないことも多いですが、今ではリセットする前に一時停止ボタンを押すだけでとどまれることが多くなってきました。なかなか言葉は出ないので、まだしばらく貼っておくと予定です。
(いらすとやさんには本当にいつもお世話になっております
)
②Hyperlexia III: Separating ‘Autistic-like’ Behaviors from Autistic Disorder; Assessing Children who Read Early or Speak Late (直訳:ハイパーレクシアⅢ:自閉症“っぽい”特性と自閉症を区別する;早くから読めてしゃべるのが遅い子を評価する)
Wisconsin Medical Journal(ウィスコンシン・メディカル・ジャーナル)という医学雑誌に掲載された論文です。2つの大学、日本でいうと医学部のような学校が共同で出版しているようです。(Medical College of Wisconsin/the University of Wisconsin School of Medicine and Public Health.)
私の息子はASDの子の中では軽症(グレーゾーン)かなと感じている中、それでもASDの特性の支援だけでは足りない部分があると、ずっと違和感を抱いている中で、この論文のタイトル「自閉症っ“ぽい”特性」という表現が目を引きました。
③Hyperlexia: Therapy that Works A Guide for Parents & Teachers (直訳:ハイパーレクシア:両親や先生たちのための、効果的なセラピーのやり方ガイド)
こちらは、1つ目の本を出版した施設が作成したガイドブックになります。発行が2002年と、2013年に改訂されているようなので、比較的新しい資料になっています。
こちらは、ハイパーレクシアがどういうものか説明しているというよりも、具体的な支援の例が多く載っていてとても参考になります。もちろん英語の文章で書いているので、日本語に応用しなきゃいけませんが、難しいことはありません。
例えば、何かを要求する練習では英語だと「I want ~」「~ , please.」となったりしています。日本語で変換するなら「~ちょうだい」「~(して)ください」「~をお願いします」など何個か思いつくと思います。基本的な文型を示して、単語を入れ替えられる空欄を作り、練習していく方法です。子供の言葉ですし、簡単に日本語に変換して応用できます。
他にも視覚支援しようとか、スケジュールを書き出して見通しを立てましょう、とか言語の違いは関係なく参考にできる例もたくさんあります。
以上、軽くではありますが文献の紹介をさせていただきました。
これらの資料からの最大の発見は、数字や文字が大好きなことを武器にして支援をすればスムーズにいくということ。そしてハイパーレクシアの子は、話し言葉さえ上達していければ、困りごとはどんどん薄れていく、と書かれていたことです。
本当かよ、と疑念を抱きながらも、そうかもしれないという希望を持って、現在私は息子と向き合っています。
今後、少しずつになってしまうと思いますが、文献の詳しい内容や、それを応用してうちで実際に使っているおうち療育のポスターなど、紹介するのに、ブログを続けていこうと思います。
皆さんにも少しでもお役に立てれば幸いです。

