「眠くなる花粉症の薬はよく効く薬」のウソ・ホント!注意すべき「鈍脳」と最新の抗ヒスタミン薬事情
インフルエンザがようやく収束に向い、
ほっと一安心したのも束の間・・・
ウェザーニューズの発表によると、
昨日の2月27日、東京を含む1都6県が、
「本格花粉シーズン」に突入したそうです。
日本全国の花粉シーズン突入状況はこんな感じ↓
関東地方が真っ赤っかです(´・ω・`)
まさに「いよいよ来たか!」って感じの花粉症ですが、
今日は花粉症に関連して薬選びの話題を一つ。
眠くなるのは効いてる証拠!花粉症薬のウソ・ホント
「眠くなる花粉症の薬はよく効く薬」
なんて思っていませんか?
ある製薬会社のアンケートによると、実に67%もの人が、
こういう風に思っているという結果が出たんだそうな。
ところがこれ、実は大いなる誤解なんだそうです。
そもそも花粉症薬の多くは、
花粉によって発生したヒスタミンの働きを抑える、
「抗ヒスタミン薬」と呼ばれる抗アレルギー薬なんですが、
数種類あるこの抗ヒスタミン薬の中には、
脳の受容体に作用して、
意識レベルを低くしてしまうものがあるためなんだそうな。
で、この効果は、花粉症の諸症状を抑える効果とは、
まったくの別ものなんだとか。
つまり単なる副作用ってやつだすな。
で、この意識レベルを低くしてしまう副作用は、
たとえ特に眠さを自覚していない場合であっても、
脳の働きを低下させてしまうので注意が必要です。
最近では、このような脳の状態を「鈍脳」と呼び、
さまざまな方面で注意が呼びかけられています。
抗ヒスタミン薬による鈍脳の落とし穴
この鈍脳によって、仕事や勉強に集中できず、
効率が悪い・・・なんて程度であれば、
もちろん本人は大変で辛いでしょうけど、
実はそれほど問題はありません。
が、しかし、この鈍脳が怖いのは、
飲酒同様に、脳の働き自体を低下させてしまうので、
交通事故の原因となってしまう可能性がある点で、
現に鈍脳が原因と疑われる事故事例も少なからずあるようです。
また、この鈍脳の状態は飲酒における二日酔いと同様に、
翌日まで続くことがあると言われています。
したがって、たとえば・・・
「この薬は眠くなる薬だから、
朝飲まずに寝る前に飲めば大丈夫!」
ってことにもならないのでご注意くだされ。
むしろ眠る前にこの手の薬を飲んでしまうと、
睡眠の質を悪くしてしまうこともあると言います。
そうなってくると、良かれと思ってやっていることでも、
「鈍脳による二日酔い + 睡眠不足」
のダブルパンチを受けることにもなりかねませんからね。
最近では眠くならないタイプの抗ヒスタミン薬が主流
最近では、病院で処方される花粉症薬の多くは、
鈍脳になりにくいタイプの抗ヒスタミン薬なんだそうです。
ところが、医師の中には昔から使っているという理由で、
眠くなりやすい薬を使い続けている医師もいらっしゃるとか。
また、これまで花粉症の市販薬の大半は、
鈍脳になりやすいタイプの抗ヒスタミン薬でしたが、
現在では「アレジオン10」や「アルガード鼻炎内服薬Z」など、
眠くなりにくい第二世代の抗ヒスタミン剤を配合している、
花粉症薬も発売されています。
これらの薬は第1類医薬品なので、
薬剤師がいる薬局で購入することができます。
いずれにしても、今飲んでいる花粉症薬が眠くてならん!
なんて方は、たとえよく効いていたとしても、
一度、かかりつけのお医者さんや、
薬剤師さんに相談してみるのが良いと思います。