パーキンソン病のサルにヒトES細胞が劇的効果!3年後にもiPS細胞を使った臨床試験へ | サプリブログ

パーキンソン病のサルにヒトES細胞が劇的効果!3年後にもiPS細胞を使った臨床試験へ

サプリブログ-パーキンソン病のサルにヒトES細胞が劇的効果
Photo by Naha

先日記事にしたトマトのメタボ予防効果の話とか、
肥満の原因遺伝子特定の話とかに続いて、
またまた京大を中心とする研究グループが、
素晴らしい研究成果を発表されましたね。

今回の研究成果は、
かつて大ヒットしたSFラブコメディ映画、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などで主演をつとめた、
マイケル・J・フォックスさんも苦しんでいるという難病、
パーキンソン病に関するものです。

パーキンソン病ってどんな病気?

人の活動は全て脳が制御しています。
脳からの指令が順々に様々な筋肉に伝わることによって、
スムーズな動きを実現しているわけですが、
その脳からの指令を身体の隅々に伝える働きをするのが、
ドーパミンと呼ばれる神経伝達物質なんです。

このドーパミンは脳の中の中脳にある黒質という部分の、
神経細胞で作られてるんですが、
パーキンソン病を発症してしまうと、
この黒質という部分の神経細胞が減少してしまうんですね。

すると当然、そこで生成されている、
ドーパミン自体も減ってしまうために、
脳からの指令が伝わりにくい状況に陥ってしまいます。

その結果、特に筋肉間の連携など、
本来できるはずのスムーズな動きができなくなり、
手足がふるえたり筋肉がこわばったり
動き自体が小さく遅くなったりなどの、
身体的な症状
となってあらわれてしまうわけです。

さらに、便秘や排尿障害などの自律神経症状や、
睡眠障害やうつ症状などの精神症状をともなう場合もあり、
特に高齢者の患者さんの場合は、
認知症を合併するケースが多いと言われています。

現在のところ、一般的なパーキンソン病に対する治療法は、
身体的症状や自律神経症状、精神症状などに対する、
対症療法的な治療法がほとんどで、
症状の進行を遅らせるための治療法も試みられてはいますが、
根本的な治療法は未だ確立していないのが現状のようです。

そんな難病、パーキンソン病に関して、
今回、京都大学を中心とする研究グループが、
パーキンソン病治療を大きく前進させる研究成果を発表しました。
今回も間違いを恐れず、誰が読んでもわかるように、
わかりやすく説明してみますねん。

パーキンソン病のカニクイザルに人間のES細胞を移植した実験の概要

まずは受精後、約1週間たった人間の受精卵から、
細胞の一部を取り出して、それを培養しES細胞を作ります。

それを42日間かけて神経の元になる細胞に変化させ、
本来は中脳の黒質という部分にあるはずの、
ドーパミンを分泌する神経細胞・・・
正確には神経細胞を含んだ細胞の塊を作り出します。

それを、薬物で人為的にパーキンソン病にしたカニクイザル
手足が震え、一日中おりにしがみついて、
ほとんど歩けない状態だったそうです。

4匹の脳に移植し、1年間かけて観察したところ・・・

当初はほとんど歩けない状態だったのが、徐々に改善。
5カ月目ごろから歩き回れるようになり、
その状態が12カ月目まで続いた

【引用】 http://www.asahi.com/health/news/OSK201202210083.html?ref=rss

また、ドーパミン神経細胞がカニクイザルの脳に生着し、
その生着した神経細胞も正常に機能し、
そこから、新たなドーパミンが生成されていることも、
ちゃあんと確認できたんだそうです。

これまでにもマウスを使った実験では、
人間のES細胞から作った神経細胞で、
パーキンソン病の症状の改善は確認されていたんですが、
霊長類を使った実験では今回が初めてなんだとか。

難病パーキンソン病の治療法確立へ大きな期待!

とは言え、ヒトの受精卵の一部を取り出し、
それを培養して作りだすES細胞を使う限り、
どうしても倫理的問題がつきまとってくる
わけですが、
研究グループはこの問題をクリアにしたiPS細胞 でも、
カニクイザルの脳への移植実験を行っており、
さらに、移植した神経細胞が半年間生着して機能し、
iPS細胞からつくった神経細胞でも、
ちゃんと症状の改善が期待できることを確認
しているとか。
さすが京大!この辺のぬかりはないですね~

今後、パーキンソン病の患者自身から細胞の提供を受けて、
そこからiPS細胞をつくり、今回と同様に、
カニクイザルに移植して、その効果と安全性を確かめた上で、
早ければ3年後の2015年には、
京大で最初の臨床試験を開始したい
としているんだとか。

いよいよ難病、パーキンソン病を人類が克服する、
その具体的な道筋が見えてきたようですね!
このパーキンソン病は、50歳~60歳代で発症することが多く、
高齢者に多い病気
ではありますが、
前述のマイケル・J・フォックスさんの例にもあるように、
若い人でも発症することのある病気です。
現在でも多くの方が、
このパーキンソン病に苦しんでおられるわけで、
今回の大いなる一歩により、
1日でも早く、そして一人でも多くのパーキンソン病患者さんが、
その苦しみから逃れられますように・・・

そして、カニクイザルに感謝しつつ・・・
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