『みんなはどこへ行ったのか』   スポンジこゆたん


私は見る


彼らのきた道を


私は見ている


彼らの戻っていった先を



けれど私には見ることができない。


私の下で泣く子らを


私のもとで怒る人を


村も街も、工場も港も

みんなどこかへ姿を消した。


私は一人取り残され



今もここに立っている。


さえぎるものは何もなく


むき出しの心のままで




みんなはどこへ行ったのか


私一人をここに置いて







津波にのまれた町で、一人取り残された灯台。


彼は何を見ているのでしょう。


そんな思いを詩にしました。


悲しいですね。



同じく、灯台の詩はこちら。

闇を照らす灯台が