夢はかないませんでした。
10日に北京五輪マラソンの選手が発表され
野口みずき選手土佐礼子選手
そして9日の名古屋女子マラソンで優勝した
新鋭・中村友梨香選手の3人で決定しました。
その3人の枠の中に、00年シドニー五輪金メダリスト
高橋尚子選手の名前はありませんでした。


9日に行われた名古屋国際女子マラソン
北京五輪の女子最終選考会となる当大会には
多くの選手が出場していた。
もちろん復活をかけて走る高橋の姿もあった。
やっちゃいました。これが私の実力です。」
レース後の会見の開口一番、この言葉が飛び出した。


まるで目を疑う光景だった。
レースの序盤で高橋先頭集団からどんどん離されていく
5キロ通過に約18分要したスローペースな先頭集団についていけない。
5キロ地点の給水所では
足に水をかけて走るという異例な光景も。


夢かな、と思う状態でした。
なかなか体が動かなくておかしいなと思いながら走っていました。
どことなく腕振りに力もあく、足が前に進んでいない。
そして9キロ付近で徐々に先頭集団から離され
この時点で北京行きの切符は消えた


高橋尚子選手

22キロ地点、すでに先頭集団から離された高橋尚子選手


そして優勝した中村友梨香から遅れること18分27秒
大歓声に包まれながらゴールした高橋
しかしすでにTV中継は終わっていた
ゴールした高橋は何度もスタンドに向かって頭を垂れた。


「昨年8月に右ひざの手術を受けました。
ベッド、松葉杖、歩くことからのスタートでした。
あきらめてはダメと何千回も自分に繰り返し言っていました。」
昨年7月にアメリカのコロラド州ボルダーでの
高地合宿中に痛めていた右ひざがついに悲鳴をあげた。
手術をすれば間に合わないかもしれない。
しかし手術を決断した。すべてはこの日のためだったのだ。


引退という声も上がっているけど
まだやりたいことがあります。陸上生活は続けていきたい
ロンドン五輪はあるかもしれないし、ないかもしれない。」
満身創痍の体で42キロを走り終えた高橋選手
まずはお疲れ様という言葉を掛けたいです。
そしてこれからも頑張ってほしいな、と思っています。


それでは、また音譜音譜