私はケチです。
100円から大金。
そして、嫌な事はずっと覚えてる。
いつまでも引きずります。
先日、次男ピーちゃんが4歳の誕生日を迎えた。
たくさんプレゼントをもらいとても嬉しそう。
その中にゴッドファーザーからのサメのラジコンカーもありました。
かなりのパワーで走るので、おっさんから家が壊れる。外でやれ!と命令が発令され、翌日ウチから5分のスケートパークでやる事にしました。
大喜びのぴーちゃん。
充電が切れたので、チーズを買ったらおまけに貰ったちょっといい買い物袋にラジコンセットを入れ、休憩机に置いて、スクーターに夢中になる私たち。
帰りかけで、またスクーターをやりだすぴーちゃん。
袋をまた机に置いて、スクーター。
何度か帰ろう、遊ぼう、と繰り返しているうちに、すっかりラジコンの事を忘れてしまった。
家に帰って、残りの誕生日ケーキでお茶してたら、思い出したー!!!
あれ!車どこっ!!
ごめん、ママ忘れたみたい!!!
ちょっとお留守番してて。
ベランダ行ったらあかんよ!
お外出たらあかんよ!
火触ったらあかんよ。
すぐ帰るから、テレビ見ててね!
といい、ダッシュでスケートパークまで戻るも、ない…。
1時間も経っていない。
この時間帯、ほとんど人もいないのに。。
ない…。
近くを探したかったけど、1人で残してきたピーちゃんも心配。
とりあえず帰ろう。
帰ってきて、ごめん…車なかった…と言うと、ぴーちゃんはテレビに夢中で、うん、いいよ!とめっちゃ軽い返事。
それでも、凹みまくる私。
ベランダから、スケートパークを眺める。
眺める。
眺める。
眺める。
眺めてたら、サメ車が入ったちょっといい買い物袋を下げた男が自転車でうちの横を走ってる!
ハロー!ハロー!
それ、私のーーー!!!
ストーップ!
ハロー!
それ、私のーーーーー!!!
(ちゃんとドイツ語だよ)
6階より。
めっちゃ叫んだけど、男止まらず。
聞こえへんかったかな?って思ったけど、どう考えても聞こえる。
静かやねん、この辺。
イヤホンでも付けてたんかなって思ったけど、自転車でイヤホンつけないよね?
あの男に悪意ありと認定。
何がムカつくって、普通の男。
移民系の人でもなく、貧乏そうでもなく、普通にお金持ってるスイス人。
なんなら、ええ自転車乗ってる。
30、40代ぐらいでヘルメットとサングラスのゴリゴリの自転車おじさん。
お金がない人には見えない。
盗むか?
絶対誰かのやん!
絶対どっかの子供のやん!
絶対取りに戻ってくるやつやん!
それを盗んでどうする?
自分の子にやるんか?
呪うぞ。
犯人はまたこの道を通ると確信して、犯人にメッセージを書く事にした。
僕はサメの車を探してる。
それは僕の誕生日プレゼントだ
った。
お願い、ここに返して。
ペース配分を間違えて、誕生日プレゼ
ント
ってなってしもた。
小学生のポスターかって思ったけど、時すでに遅し。
呪いを込めて書いてると、気分が乗ってきたので、絵かいてみたり、字に影つけてみたり。
私はあなたを見た!
あなたは自転車に乗り、私の静止も気に留めず、この日、この時間にここを走り去った。
とか、もっと呪いを込めてタラタラ書きたかったけど、アスファルトのコンディションがイマイチで、これだけに留めておいた。
犯人への呪いを書いてから、窓から道ゆく人々を見てると、全く気にせず通り過ぎる人。振り返り立ち止まって、読んでく人。首を傾げて通り過ぎる人。色んな人がいるが、そんな事はどうでもいい。
私は犯人に向けてだけこのメッセージを書いてるから。
しかし、犯人は結局自首することなく、私たちは新しい車を注文した。
その車が届いた日。
入っていたスーパーのチラシ。
半額なってる…。
なんなん?
凹んでたら、おっさんはこんな事呟いた。
どうやったらもらった次の日の忘れてくるねん。て。
そやで。忘れた私が悪いんや。
でも、盗んだ犯人も悪いわ。
どうか、犯人に私の呪いが届いきますように。