先日の兄の誕生日。
いつもなら誕生日は祖父母やゴッドファーザーもお祝いに来てくれる。
私は兄の為にケーキを作り、ベーカリーでもその他の人用にとホールのケーキを2つほど買う。
さて、コロナの影響で色々自粛中、79と74になる祖父母は孫との面会が禁止。
ゴッドファーザーも来ない。
おっさんがケーキ買う?と聞いてきたが、私はケーキ作りたい。
兄もベーカリーのケーキは甘すぎるといい食べない。
大人2人に子供2人、そないにようけケーキいらんやろ。と母さんの手作りケーキの1択となった。
兄はずっとこの日を楽しみにしていた。
プレゼントもらって、リクエストしたイチゴとチョコのケーキを食べるのを。
去年はリュウソウジャー風に作り、見事にコレナニ?となった。
その前にも恐竜ケーキを作ったはずが、皆から白熊と呼ばれた。
そんな事もあっての兄のリクエストはイチゴとチョコ。
見た目は任せるわ。という事だった。
数日前にスーパー発行の新聞に海賊船のケーキが載っていたので、これや!と切り抜いて取っておいた。
レシピのまま作ろうかと思ったが、バター200g…ダイナミックなレシピだったので、デコレーションのアイデアだけ頂くことにした。
兄と一緒にスポンジを焼き、後は明日のお楽しみね。と、おっさんと子が寝静まってから、デコレーションに取り掛かる。
まずチョコクリーム。
レシピを見ながら、ふむふむチョコ50gか…
チョコ大きいのん買ったから100g入れちゃえー!
それがあかんかったのやろか…泡立たない。
やべー。
やべーよ。
やり直す?
いや、クリームもうない。
きっとそのうち泡立つはず!
そう思いながら、しつこくハンドミキサーを回した結果、生クリームがバターになりかける。
分離してるわ…。
なー、おっちゃん。やばいわ、これ。バターになってしもた。
そんな事言われても知らんがな。と言った感じのおっさん。
だ、大丈夫。味はいいから!
ちょっとドロドロなだけやから!
とおっさんにも自分にも言い聞かせ、作業を続ける。
ドロドロのクリームを土台に塗り、マーブルチョコを飾っていく。
確か、数年前の白熊風恐竜ケーキで前日にマーブルチョコくっつけたら、本番には周りのコーティングが溶けて、汚いブツブツが載ってたような…
オッケー。きっと今回は大丈夫。
根拠のない自信を持って、おっさんのマーブルチョコ貼り付け作業を見守る。
出来た。
すると、周りが汚いな。と、おっさんが指で皿についたクリームを拭き取った。
そして、ペロッ。
再び、指で拭き取る。
ペロッ。
ちょい、ちょい、ちょーい!
ちょっとー!
汚い!やめてよ!
汚染せんといて!
すると、おっさんは、ちゃうわ!綺麗にしてんねやんけ!気分悪いわ! と怒り出した。
綺麗ちゃうわ!汚染や!
やめて!私も怒ってるわ!
と、たちまち険悪ムードになった。
怒りながらもペーパータオルで再びお皿を綺麗にするおっさん。
言い過ぎたかな?と思いつつ、片付けしながら、スポンジの切れ端に残ったクリームを付けて、イチゴの余りをのせ、おっさんにあげたらパクッ。オッケーご機嫌元通り。
2人でバクバク、片付けという名のつまみ食い。
そして、翌日の誕生日本番。
お昼前におっさんが兄弟を外に連れ出してくれた。
その間に、昼の支度とケーキの仕上げ。
帰ってきた兄はケーキを見て、うわぁ〜!と大喜び。
ドロドロでも、マーブルチョコが溶けてても、喜んでくれた。
おかわりするくらい、いっぱい食べてもくれた。
あー、良かった。喜んでくれて。
ほんで、これ何かわかった?と聞くと、
海賊船や!
おぉ〜!今年はちゃんとわかった!良かった。
ふぅ〜。
と、お茶でも飲もうと棚を開けたら…
しまった!
この日の為にわざわざ買ったミカドさんが出番を失って棚で眠ってた。
仕上げで、船の櫂として、横に挿そうと思ってたんやった。
直前まで覚えてたのに…。
櫂が無くても、船ってわかってくれたからいいけど。
おっさんは、これで来年はハリネズミのケーキ作ろうぜ!と言い出してる。
いや、その前に食べてしまうから。
息子が成人する頃には、私は誕生日ケーキちゃんと作れるようになっているのだろうか。
謎である。