兄が6歳の誕生日を迎えた。
毎年祖父母、ゴッドファーザーが来てくれて、3時のおやつにケーキを食べながらお祝いしていたのだが、今世界中はコロナで自粛モード。
私の住む地域も規制色々。
その影響で、祖父母とも会う事が出来ない。
毎年ささやかながら、プレゼントをもらって、お祝いしてもらってたのに、今年はあまりに何もなさ過ぎて可哀想。
おっさんは、
まぁコロナが落ち着いたら、みんなでもう1回お祝いしたらええやん。
でも、誕生日当日なんもないのは可哀想やから、スーパーに連れてってオモチャ選ばしたろ。
と言った。
そっか、あんまりスーパー連れてってほしないけど…と思っていた矢先、友達からオモチャコーナー閉鎖されてるで。と連絡がきた。
嬉しいような悲しいような。
とりあえずスーパーには行かんでええけど、プレゼント無いのか…。
ん???待て待てい!
外出自粛になる前、えらい高い自転車みんなからねっ!て、買ったやないかーい!
早めの誕生日プレゼントやで。ってよ。
今、考えるとあの時買っておいてよかった。その直後に緊急事態宣言がだされ、自転車屋さんも閉まっている。
オモチャいらんやろ…という私の気持ちとは裏腹に、このチャンスを逃すまいとする兄と甘々のおっさんの連携プレイでネットでオモチャを注文する事になった。
細々とした物であるが、3点。
いや、そこ1個やろ。という私の意見は聞き入れられず、おっさんが注文。
どんだけ甘やかすねん。
しかし、この時点で誕生日まであと3日。
結局未だオモチャ届かず、何で買ったん?という気持ちが拭きれない。
ちなみに日本の父も毎年かなり遅れてプレゼントを送ってくれるが、今年は買い物行かんと引きこもっててと頼んだので、プレゼントなし。
私が兄へと思ってネットで注文した本を送ってもらおうと思ったのだが、郵便局で日本から欧州へは今荷物を受け付けてない。と断られたらしい。
そ、そんな…
本がなくても死にはせん。
でも、日本からの郵便が来ないって…。
急に感じる孤立感。
私にとっては、なんだか学校休校よりショック大。
さらに可哀想なのは、8月から始まった幼稚園。
そこで、兄は次々とみんながお誕生日をお祝いしてもらうのを見てきてるのに、いざ自分の番がきたら、自粛中。
あーあ、僕はアレもらわれへんねや。とガッカリしていた。
幼稚園始まったら先生がまとめてお祝いしてくれるよ。と慰めてたら、おっさんが大きな封筒を持って帰ってきた。
ポストに先生が入れておいてくれたのだ。
中身はフクロウの消しゴム付き鉛筆と綺麗な羽。
注 兄はフクロウクラス
大喜びの兄。
先生、ありがとう。
ボイスメッセージまで送ってくれた。
その後友達がお手紙とナッツバーをポストに入れておいてくれた。
こんなんしか無くてごめんな。と言っていたが、この状況で、わざわざありがとう。としか言葉がない。
コロナのせいで、いつもよりひっそりやけど、色んな人のおかげで温かい気持ちになった誕生日であった。
ケーキを食べた後、本命プレゼントのチャリで暴走する兄。
ほんま先にチャリ買ってて良かった。