3月頭のスポーツ休暇中。
あの頃から私の住む国にもコロナがチラホラ発生していた。
しかし、まだ今ほどでもなく、1000人以上のイベントはやめてください程度の規制。
私と兄チーム引きこもりもおっさんにスキー、クライミングを交互に毎日強制させられていた。
この日は車で1時間かけてクライミングホールに行った。
ちょうどお昼タイムも入るし、子供達を少し大人しくさせる為、食べ物を多々用意。
その中で優秀なのが、リンゴ。
丸ごとハイどうぞっ!と渡すとしばらく黙って齧ってる。
その隙に登れ〜!と、登る私。
おっさんはその間子守担当やけど、チラチラ下見ると、野放し状態の子供達。
ちゃんと見ろや、ボケっ!
高みから呟く。
永遠初心者クライマーの私が必死に登ってる最中にも、子守担当のおっさん無視して、兄が下から叫ぶ。
ままー!ままーっ!
ちょ、ちょっと、今ごめん。
自分の事で精一杯。
おっさん!ちゃんと子守しろや!
私の反応がないので、兄はさらに叫ぶ。
ままーっ!ままーっ!
りんごもう食べんでいい?
えっ?りんご?
チラッ。
りんごを高く掲げ、私に見せてくる。
こんだけ食べたから、もういい?
うん!どうでもいいよ!
と、心の中では呟いたが、
キレイに食べたなー!
もう捨てーー!
と上から叫ぶ。
下の人!子守の人!
ちゃんとリンゴの確認して!
その後も好き放題の子供達。
お腹が膨れた弟はバギーに乗せるとコクリコクリ。
可愛いな。お布団かけてあげて、と兄に頼む。
何故だ。
その後、兄はカップルで来ていた彼女に恋に落ちたと言い出した。
でたな、マセガキ。
そのカップルの周りをチョロチョロチョロチョロする兄。
しかし、十代のカップルには周りは見えていない。
最終的に出てきた言葉が、
彼氏おって悲しい…。
でしょうね。
でも、カップルでイチャついてる女に恋する方がどうかしてたで。
物凄い強気で奪うのかと思いきや、モジモジするだけね。
いや、そもそも5歳児や!
もっと子供らしく、無邪気にクライミング楽しんで!
何しに来てんねん!と、クライミングホールを後にする。
帰り道に大きなスーパーに寄る。
試食のパンが置いてあるのを見て、おっさんに、
こういうのがあかんのやで。
ビュッフェとかあかんて、ニュースで読んだわ。
言うて、パッと後ろを振り返ると、
パンを食べようとしっかりひとつ摘んでいる兄。
あかーーーん!
それ食べたらあかん!
慌てて取り上げた。
こういうので、コロナうつっちゃうんやで。と兄に説明して納得してもらう。
しかし、こんなにコロナコロナ言うてるのに、まだ試食置いてるて、あかんやろ。とおっさんに愚痴る。
買い物を済ませ、歩くエスカレーターで下に降りる。
グイグイ行く兄。
前に立ってるカップル2人の隙間をくぐって追い抜かした。
すいません、うちの子…。とヘコヘコする私たち。
しかし、シャレの効いたお兄ちゃんが兄を抜かし返した。
おっ!となる兄。
しかし、地がシャイ故、固まったまま。
カップルはそのまま笑って、バイバーイと行ってしまった。
優しい人達で良かった。
その先にはスーパー定番の乗り物。
今日はお金入れへんでー、帰るよー。
言うて、パッと見ると、
あれ?おかしい、動いてるやん!
誰か3回分お金入れて、1回で帰っちゃったんかな?
はい。じゃあ、終わり帰るでー。
え?また始まったん?
はい、じゃ、おわりー。
え?また出来るん?
はい、もうラッキーも終わりや。
え?まだ出来るん?
はい、
え?まだ出来る?
あかん。この乗り物、アホなってるやん!
乗り放題なってるやん!
もうあかん!終わりや。
いつまでも乗れてまう。
強制終了。
スーパーも今は入場制限。
クライミングホールも閉まっている。
そろそろ散歩に出るのも規制されそう。
この頃は、スポーツだらけでいい加減にして!と思ってたけど、まだ普通の生活が出来てて、幸せやったなと思う。
早くコロナが落ち着いて、また普通の生活に戻って欲しい。
でも、スポーツ休暇はしばらく勘弁して欲しい。
おっさん1人でやってくれ。と心から望む。