兄は8月から幼稚園に通う。
2週間前に手紙が来て、この日の2時から1時間だけトライアルに来てください。と書いてあった。
突然やな
。ざっくりやな
。
持ち物については全く触れていない。
手紙には子供だけ。と書いてあった。
この町には4つの幼稚園があり、その手紙でどこの幼稚園に行くか、知らされた。
兄が行く可能性は2つあって、ドキドキどっちに行くのか知らせを待っていた。
1つは、うちから最短。
すでにプレイグループで一緒の子がいる幼稚園。
先生は魔女みたいなおばさん達。
笑顔のない感じ。
もう1つは、そこよりかは遠いが、徒歩10分くらい。
知り合いはいないが、おっさん曰く、1番いい先生がいるという幼稚園。
結果、兄は遠い方の幼稚園に行ってください。とのこと。
担任はおっさん推しの先生ではなかったが、若い先生。
手紙が来た瞬間から、おっさんと幼稚園やで!いやっほーい!と、煽るが、イマイチ乗り気でない兄。
先生可愛いで💕言うて、写真見せるも照れてちゃんと見ない。
プレイグループの帰り道、兄と私は猛烈に喧嘩していた。
ふと後ろを見ると、その担任の先生が歩いていた
慌てて挨拶を交わす。
兄は照れながらも一応挨拶は交わした。
少しでも幼稚園への抵抗が無くなることを祈る。
去年の今の段階では、プレイグループに連れて行ったら、大号泣やった。
幼稚園は楽しく行って欲しい。
あっという間に2週間は過ぎ、トライアル当日。
持ち物や、流れは謎のまま。
とりあえず、上履き、水筒、おやつを持って、幼稚園の前まで行ってみる。
他の父兄や、子供達がすでに何人か外で待っている。
おっさんがたまたま一緒に行けて良かった
。
他の父兄に知り合いがおり、お喋りしてくれる。
1人めっちゃ泣いてる子がおった。
それにビビって、顔が引きつる兄
。
ヤバいと思い、遊びに連れだす。
そうしていると2時になり、先生が迎えに来た。
挨拶して中に入る。
上履きは?え?と、なっていると、
履いても履かんでもどっちでもええで。と。
うん!じゃ、履かない
!
中に入るとサークルに椅子が並べられていて、そこに全員座る。
新入生9人と、2年生11人の20人クラス。
泣いてる子も、チラホラいたが、兄は顔は相当引きつったまま固まっていたが、ギリギリ泣いてなかったので、おっさんと幼稚園を後にする。
私だけやったら、絶対もっとダラダラ側にいたはず
。
窓からこっそり覗いたが、やはりずっと固まっている
。
しかし、おっさんに引きずられ、私も幼稚園を後にする。
1時間はあっという間に過ぎ、迎えに行く。
窓から再び覗くと、固まったままの兄。
しかし、何故だか、微妙に椅子の席が変わっている。
泣いてなかった事に、ホッ。
しかし、外で待っていると、他のお母さんが、めっちゃ笑いながら、
あんたんとこの子、自己紹介しい言われたら、名前言いたくない!って言ってたで!と、教えてくれた。
あら!兄ったら。
自己紹介は出来なかったのね。
まぁ、しょあないよね。
恥ずかしいよね。
でも、やりたくないって、言えたからいいよね。
兄を迎えに行くとやっと少し緊張が解けた様子。
やっと終わったか。という感じ。
これ食べていい?と、先生からもらったチョコを食べようとしている。
大丈夫でしたよ。じゃ、8月から楽しみにしてるね!と、先生とお別れして、まだ少し、校庭で遊んでいた。
そこに言語の先生がやってきた。
幼稚園には、移民も多いため、母国語が外国語の子供達は週に2回言語のレッスンがあるのだ。
おっさんは、この土地の人間だが、日本語の方がはるかにペラペラな兄はきっとこのレッスンが必要だ。
先生とおっさんの話。
先生が、さっきの時間に兄を訪ねてきた。
ちょっと付いてきてくれる?と、先生が兄を教室から連れ出そうとした。
僕、行きたない!と、断ったそうな
。
結局先生は諦めた…。
うんうん。そうよね。
何されるかわからんもんね。
ちゃんと思った事言えて、良かったやん?
そう思う事にしよう…。
でも、泣かんと過ごしたし、上出来やったやん。と、帰ったのだが、話を聞いていると、途中自由時間で、みんな好きに遊んで良かった。
でも、兄は、1人でずっと椅子に座り続けていたらしい。
先生が、遊んだら?と言っても、遊びに行けず、ずっと座っていたようだ。
なんか、小さい頃の私っぽくて、泣けてくる
。
あかんとこばっかり似てるやん!
でも、校庭で、その後クラスメイトの男の子と仲良く遊ぶことが出来た。
良かったやん!もう友達出来たやん!
と、言っていると、兄が
他にも出来た。と、教えてくれた。
隣の太い女が、コレ、キレイ?って聞いてきたから、キレイって答えた!だから、太い女も友達や!
と。
言葉キツイな
。
隣の太い女…。
確かにコロッとしてたけど…。
隣の太い女とも、幼稚園で仲良く過ごすんだよ…と、8月からの幼稚園ただただ楽しく過ごしてくれる事だけが、望みである。
隣の太い女に、直接太いと言わないようにすることも要注意だ。
まず名前聞かないとね。