ある日、どうにも頭が重かった。

 

やることが多いわけでもない。


大きな悩みがあるわけでもない。

 

でも、
なんとなく落ち着かない。

 

まず、話してみた

誰かに話すほどのことでもないので、
ひとりで、ぼそっと声に出してみる。

 

「なんか最近、疲れてる気がするな」

すると、言葉が止まらない。

 

「やらなきゃって思ってることが多い」


「でも別に急ぎじゃない」


「なのにずっと追われてる感じがする」

 

話しているうちに、
自分がよく使う言葉に気づく。

 

「〜しなきゃ」
「ちゃんと」
「普通は」

 

ああ、
自分はいつも自分に命令してるんだな、と分かる。

 

話すと、思考の“癖”が露出する。

 

次に、手で書いてみた

今度はノートを開く。

 

同じことを書こうとしても、
手は止まる。

 

「疲れてる」

と書いた瞬間、
なぜか胸が少し詰まる。

 

言葉にしただけなのに、
感情が追いついてくる。

 

書いていくと、

「本当は、ちょっと休みたいだけかもしれない」

 

そんな一文が、勝手に出てきた。

 

これは、話しているときには出なかった言葉。

 

書くと、感情が表に出てくる。

 

たぶん、
手が遅いからだ。

 

考える時間ができて、
ごまかせなくなる。

 

最後に、タイプしてみた

ノートを閉じて、
パソコンを開く。

 

さっき書いたことを、少し整えて打ち込む。

 

「最近、少し疲れを感じている。

自分に課す基準が高すぎるのかもしれない。」

 

……あれ?

 

正しい。


読みやすい。


でも、どこか違う。

 

さっきノートに書いたときの
あの感じが、消えている。

 

言葉が、


“説明用”になっている。

 

タイプすると、
無意識に「他人に見せられる文章」に寄っていく。

 

だから少し、嘘っぽくなる。

 

どれが正しいわけじゃない

 

話すと、自分の思考の癖が見える。

 

書くと、自分の感情が顔を出す。

 

タイプすると、思考が整理され、残せる形になる。

 

どれか一つが正解じゃない。

 

それぞれ、見えるものが違うだけ。

 

自分の言語は、ひとつじゃない

「本当の自分の言葉」を探そうとすると、
迷う。

 

でも実際は、

  • 話している自分

  • 書いている自分

  • 整えている自分

全部、
自分だ。

 

ただ、
使っている脳が違うだけ。

 

もし最近、


「考えているのに前に進まない」
「言葉にしているのにスッキリしない」

そんな感覚があったら、

  • まず、話してみる

  • 次に、手で書いてみる

  • 最後に、タイプして残す

この順番を試してみてほしい。

 

答えを出すためじゃなく、
自分の状態を知るために。

 

それだけで、
少し楽になることがあります。

 

時間あるときねにっこり