今週は娘に学校をさぼらせて、ウルルに家族旅行に行っていました。いやあ、同じ国内といえど、うちから岩まではやっぱり遠い。へとへとでござる。

 

今回は旅行中、思い切ってドリルなどの日本語学習の習慣も放棄したわけですが、これ以上ないくらいの非日常的な体験の中でも(だからこそ)できる学びを与えたいと思ってはるばる来ました。中でも、彼女が好きなアニメ、ワンピースで見た内容をここで実体験として彼女の記憶の中に残したいと思っていました。(オーストラリアで生まれ育つ5歳の娘と私は、ワンピースにハマっていて、日本語でアニメを見ています。今500話くらいなので、最新話まであと半分くらいですね(長!)。)

 

 というわけで、ワンピースに出てくるストーリーに関連付けできることを、ウルル(ノーザンテリトリー)で沢山体験してきました。例えば、このくそ暑い気候では、ワンピースでもおなじみ、蜃気楼の仲間と言える現象、『逃げ水』や『陽炎』がよく現れます。他には、ワンピースのアラバスタ王国の気候、その土地での飲み水の大切さ、また、空島での先住民族と移民との争いなど、アニメのいろいろな場面と実際ウルル、ノーザンテリトリーで起こっていることを照らし合わせて、見たり、触れたり、感じたりすることができました。もちろん、私が説明して初めてワンピース上での架空の物語と、実際に起こりうる現象や歴史などを関連付けることができるのですが、一緒に散策して汗をかいたり、自分の目でその土地の先住民(アボリジニ)の方々を見たり、直接会ったりする体験があって初めて実体験と結びつくのだろうと考えています。

 

 継承日本語を頑張っているご家庭では、子どもが日本のアニメにハマってくれたらしめたもの!と思っている方も多く、テレビ視聴は日本語のみと決めているご家族も多いですね。とても良い策ですので、そこからもう一歩踏み出して、何らかの形で子供たちの実体験や、それに近い形の経験をさせてあげることができれば、記憶に刻まれると思います。子どもがよく覚えている体験は反芻するので深い学びにもつながりますし、その体験が日本語で行われた場合は思考の形成も日本語で行われ、言語の土台を作っていきます。日本語で心に深く刻まれる体験を作ることが、5年先、10年先の日本語の成長につながっていきます。

 

 そう、子どもにとってすべての体験は学びなのです(私たちもですが)。だから、どこにいたって、何をしていたって、どんなことも日本語で語り合えば日本語の勉強になるのですよね。日本に帰国するだけが日本語教育ではないのです。なるべく、日本語で語りあいたいことがたくさんある家庭にしていきたいですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。