チュニジアのお話の後編です。
興味ない方はごめんなさい。
というか、ほとんどの方は興味ないかもしれませんね。
今回のチュニジアの政変はアラブ世界では
非常に異例な(初といってもいい)
民衆による政権打倒だったようです。
すでにこの動きは隣のアルジェリア、さらに
エジプトにも飛び火しています。
独裁政治、専制政治って続きませんね。
ネットが発達した社会では特にそれが顕著です。
いち早くネット社会の危うさに気づいたインド、
中国などは10年以上前から政府のトップが中心となり
巨額を投じてネット管理を始めています。
今回の民衆蜂起のきっかけとなったのは
よくある「貧富の格差」です。
25年ほど前に同じような状況と政変が
フィリピンでもありましたね。
チュニジアは単に貧富の格差というより
身分格差というレベルだと思います。
私が20年ほど前に行ったチュニジアでは
同じ電車に乗るのに「アッパークラス」の車両と
平民の車両が分かれていました。
旅行者は「アッパークラス」に乗れます。
そこでは、旧市街では決して見かけることがない
ナイキを履いて、髭のないおしゃれな男子学生が
女子学生とにぎやかに談笑していました。
ちなみにアラブ世界で「髭のない男」は
おかまちゃんとみなされます
(↑語弊があったら申し訳ないですが)
さらには街中で、独身の男女が一緒に歩いたり、
おしゃべりしたりする光景はございませんでした。
これは当時、現地の若者から聞いた話なので
間違いありません。夫婦ならいいようです。
まだ色々と差別や区別はあったようです。
それでも生活出来ればいいや…みたいな
アバウトな雰囲気がこの国にはありました。
朝は早いけど昼休みが異常に長くて、
いったいいつ仕事してんの?というお国がら。
だらだらカフェで水タバコ吸って…
週末はテレビの前でサッカー観戦。
子供たちも明るく陽気でございました。
当時はチュニジアの旧市街で長逗留している
日本人は珍しかったらしく、ブラブラ歩いていると
子供がすぐ寄ってきて
「ジャキー・シェーン」「ジャキー・シェーン」と
(ジャッキー・チェンのことです)
カンフーのマネをされました。
私も調子に乗って「酔拳」のマネをすると
もう大騒ぎで、さらに子供が集まってきて
移動すると一緒にゾロゾロついてきました。
彼らからしてみれば、日本人も韓国人も中国人も
全部同じ珍しい生き物に見えたのでしょう。
その子たちもすっかり大人になったでしょう。
たぶんデモにも参加しているでしょう。
ベンアリ無きあと、彼らの目に明るい未来が
見えていることを信じたいです。
少なくても極端なイスラム原理主義国家に
ならないことを願います。