癒着、汚職、そして横領のタイ警察 | 「アジアの放浪者」のブログ

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いやぁ、いつものことながら、話題に事欠かないタイ警察。

今回は「警察共済組合」での横領事件が発覚しています。

 

タイ北部ランプーン県警察本部の共済組合で発生した横領事件。被害金額は少なくても2.2億円(およそ8.8億円)に達すると推測されています。横領の罪を犯したのは、共済組合職員。手口は、組合員(つまり警察官)の署名を偽造してローンを借りたことにし、その金額を盗み取っていたというものです。

 

ある警察官が、組合から自動車購入資金として40万バーツ(約160万円)の融資を受けました。ところが、いつの間にか自分の知らないところで90万バーツ(約360万円)を借りたことになっていて。当人はそれを知らないので、「今月の支払いで完済だ」と組合に確認したところ、ローン残高がまだ70万バーツほど残っていたことから事件が発覚したようです。

 

当局が捜査したところ、いやはや、署名の偽造による水増し融資が出るわ、出るわ。

その被害者数、現時点で423人に達しています。中には、実際にはローンの申し込みをしていないのに融資を受けたことになっていて、「未返済」扱いとなって督促を受けていた警察官もいるそうです。

 

容疑者はすでに判明していて、もちろん共済組合職員なのですが、水増しなどによって横領した資金がどこに流れたのか、大きな注目を集めています。それにしても、発覚するに違いないこんなずさんな犯罪に、なんでまた手をそめたのか…。

 

汚名挽回、というわけではないのでしょうが。

9月27日、警察はタイ中部ナコンパトム県にある民家を急襲。大量の違法薬物を押収し、民家にいた4人を逮捕しました。押収した薬物の末端価格は、なんと3億バーツ(約12億円)。これはタイ警察が1度に押収した違法薬物としては、史上最高の量になるそうです。

 

そして、この捜査を指揮したのは、10月1日から警察庁長官になるトーサック・スクウィモン警察大将(下の写真中央)。

これ、なんかちょっと…できすぎみたいな印象を受けますけれど。

 

 

地元有力者との癒着。

違法行為を目こぼしするための収賄。

そして、警察内部の腐敗(今回の警察共済組合の横領事件もその一例)。

 

不祥事の続くタイ警察の中で、この違法薬物の大量押収はお手柄なのかも知れませんが、なんとなく、「トーサック大将は次期長官にふさわしい人物なのだ」とPRせんがための演出、であるような。

 

タイ警察への不信、相当根深いですね。私の中では。