来てください、でも持ち込まないで | 「アジアの放浪者」のブログ

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悩ましい…。タイにとっては、たいへん悩ましい…。

 

中国政府が、入国時の厳格な隔離措置などを1月8日から撤廃すると発表しました。

来年の中国正月(春節)は1月22日。コロナ禍になる以前は、この時期に多数の中国人団体客がタイを訪れていましたが、ひょっとしたら中国政府による入国規制緩和によって、来年の春節には大勢の中国人がタイを訪問するかも知れません。

 

当然、観光業の収入は大きく伸びますから歓迎したいところですが…。

懸念されるのが、現在新型コロナ(おそらく、インフルエンザも同時流行中かと推測します)が感染爆発していること。意図的に隠蔽しているのか、あるいはもう完全にお手上げ状態になって把握できなくなったのかは不明ですが、中国での感染状況が明らかになっていないところが、たいへん不気味です。

 

ホテル予約サイトを運営する会社では、中国人の海外渡航について「春節までにコロナ禍前の水準に戻ることはなさそうだ」としています。タイ観光庁も中国人観光客の増加は予測しているものの、その規模は2019年の年間1,099万人にはほど遠いと考えているようです。まぁ受け入れるタイ側も、大型バスの整備やその運転手の確保、レストラン従業員を大量に雇用する必要性など、準備に時間を必要としますから、「1月に入って急増」ということは想定しにくい…。

 

仮に観光客が急増しなくても、中国人はタイの不動産(分譲マンションなど)購入に関心を抱いている人が少なくないので、そうした個人渡航者が増えるだけでもタイ経済にとってプラスになりそう。

※不動産価格が上昇してタイ人にとっては迷惑千万だ、という指摘もありますが。

 

その一方で、たとえ来訪者数がさほど増えないにしても、中国からの渡航者が新型コロナの変異株を持ってきて、それが再びタイに広がることを懸念する声が高まっています。ビジネス関係者からみれば、中国人には来て欲しいけれど、変異株は持ち込まないで欲しい、といったところでしょう。ニッポン同様、バンコク都では未だにマスク姿のタイ人がほとんどです(地方では、マスクなしの姿が目立ってきています)。それだけコロナへの警戒感がまだまだ根強いタイ。変異株への心配も、ニッポン人が共感できることかも知れません。

 

タイはようやく長いトンネルから抜け始めたところです。

弱毒生の変異株なら気になりませんが、万が一強毒性を帯びているものだとしたら、再びトンネルに入り込んでしまう…。それだけは、なんとしてでも避けたいものです。

 

下の写真は、コロナ禍前にタイを訪れていた中国人団体客。かつてはニッポンも、このような団体でタイ観光をしていましたねぇ。現在は個人旅行や少人数のツアーが主流のようですが。