バンコク高架鉄道で将棋倒し事故 | 「アジアの放浪者」のブログ

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いよいよタイも、このような事故に対応する必要が生じてきました。

 

8月20日18時30分過ぎ、バンコク高架鉄道(現地では、スカイトレインとか BTS と呼ばれています)のスラサック駅エスカレーターで、将棋倒しによる事故が発生しました。27人が負傷しましたが、幸い皆さん軽症だとのこと。

 

 

当初はエスカレーターの故障が疑われたのですが、どうやらそれは正常に動作していた様子。いや、だからこそ事故が発生したといえるかも知れません。

 

どういうことかといいますと…。

 

8月20日、同駅近くにある大学でイベントが行われいて、土曜日であるにも関わらず非常な人出であったこと。

また突然の夕立で、人々が一斉に同駅に殺到。券売機のあるフロアーがいっぱいとなり、人の流れが停滞していたにも関わらず、エスカレーターはしっかりと作動していたため、満杯で人が動けなくなっている上層階に、新たに人が次々と運ばれてきたこと。

つっかえている人との衝突を避けようとしていたところ、折からの雨で足を滑らし、転倒する人が出たことで、エスカレーターに乗っていた人たちが次々と転倒したこと。

 

どうやら、以上のような状況だったようです。その様子を映したビデオをご紹介します。

 

 

このような事故が起きることは、想定できていたんですけど…ね。

 

日頃でも、エスカレーターを上がり切ったところで、「さて、目的地に近い出口は右なのか、左なのか」と迷って立ち止まる人が少なくありません。そうしている間にも、後ろからは次々と人が昇ってくるわけで、立ち止まっている人と衝突しそうになることが頻繁に起きているのです。

 

ましてや利用客が集中し、構内に立ち入れなくなった場合、将棋倒しの危険性が高まることは必然です。

 

BTSの運営会社が学ぶべきことは、構内がいっぱいになることが想定される場合、エスカレーターを停止させるか、あるいはエスカレーターの入り口に人員を配置することでしょう。また、近くでイベントなどが開催される場合は、BTSに事前に届け出るように依頼し、利用客の集中が予想される駅には、スタッフの増員を行うことも検討されてしかるべきです。こうした対応、日本の鉄道会社であれば、対応マニュアルがあることでしょう。

 

バンコクで近代的な高架鉄道(スカイトレイン、BTS)が運行を始めたのは、1999年12月5日。

当初は乗り方がわからない利用客が多く、おおぜいのスタッフがチケットの買い方、機械化改札の通り方などを懇切丁寧に教えていました。それから20年以上が経過し、今では乗車のノウハウが普及し、利用客も増えています。

 

日本も、残念ながらさまざまな事故を経験する中で、鉄道の安全性を高めていった経緯があります。

タイも同様に、こうした事故をしっかりと検証して、安全性を高めていっていただきたいものです。

 

 

【追記】

貼り付けているビデオの3分頃、1人の男性がインタビューに答えています。この人、バンコク都知事のチャッチャートさん。事故の一報を受けて、すぐに現場に駆けつけてきたのです。フットワークの軽さが、この都知事の人気につながっています。