クラスター、続出(タイ) | 「アジアの放浪者」のブログ

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東南アジア、南アジアを中心に、体験・見聞したことをレポートします。

まずは、最近恒例となっている日本のコロナ感染関連情報から。

NHKのサイトによれば、5月18日時点の日本でのワクチン接種回数は 7,093,476回。1日で 455,067回増えました。でもその前は1日で526,003回増加していましたから、昨日は1割ほどペースが落ちましたね。あるいは週末開けの月曜日は、報告数が増える傾向にあるだけなのかも知れません。

 

なお、5月19日23:59時点での新規感染者数は 1日で 5,819人増加。死者数は1日で97人増えましたが、それでも前日より30人ほど減少しています。 一方、退院・療養解除者数は 6,721人増えました。新規感染者数よりも、退院・療養解除者数が多いことは、安心材料です。

 

 

さて、感染拡大が続いているタイですが、日本への入国がさらに制限されるようになります。

過去14日間にタイに滞在したことのある外国人は、特別永住者などしかるべく配慮される事情がない場合、日本への入国が原則禁止となります。これは、5月21日午前0時から適用されるそうです。

 

昨日(5月19日)のCovid-19対策本部の発表では、タイでの新規感染者数は3,394人増えました。人口比では、タイは日本を抜きましたね。なお、死亡者は29人で、累計584人となりました。新規感染者数が多い都県は、バンコク都(876人)、サムットプラカーン県(153人)、ノンタブリー県(130人)などです。いずれも、バンコクとその隣接県。ところで、7月1日から国外で2回のワクチン接種を受けた人たちについて、隔離検疫なしで観光受入を始める予定のプーケット県は、5月19日に新規感染者数0を達成しました。よかったですね。

 

 

バンコク都の感染拡大は、建設作業員住宅や市場でのクラスター発生による影響が大です。

昨日も、バンコク都であらたなクラスターが5ヶ所で確認されました。3月下旬にナイトクラブでクラスターが発生して以降、これで合計34ヵ所となっています。感染症専門家は、市場や建設作業員住宅はトイレ、シャワーなど共有設備が多く、また大型飲料水ボトルに共有のコップが設置されていることが、クラスター発生の要因ではないかと推測しています。これまでは飛沫感染に注意が向けられていましたが、最近は接触感染にも注意が必要だ、ということでしょう。ウイルスの感染力が強まった、ということだと思います。

※なお、この34ヵ所のクラスター発生地には、都内にある刑務所でのクラスターは含まれていません。あくまでも、バンコク都庁の管轄地域内、ということのようです。

 

感染者の急増と共に、ベッドが足りずに入院できない感染者も増えています。

富裕層は自費で民間病院に入院することができますが、一般庶民が頼りにしている公立病院は、すでにコロナ感染者用ベッドが満杯状態。入院できずに亡くなってしまう人が出てきています。政府は急きょ、「インパクト」という国際イベント会場に大規模仮設病院を設置することを決定。現在、その準備に追われています。

 

Bangkok Post 電子版がその仮設病院を写真付きで報じています。以下、その写真を転載します。

 

 

写真で見るかぎり、重症者用のICU設備もあるようです。こういう対応が素早くできるところは、いかにもタイらしくでいいですね。それに、この仮設病院には約5,000のベッドが設置されているそうですが、これだけの患者に即応できるほど医療従事者の層が厚い、ということでもありましょう。もちろん他県からも応援を求めるのでしょうが、ここらへんの手際は、タイ政府を評価していいのではないでしょうか(民主化運動を弾圧したり、ミャンマー国軍と親密であるなどはありますが)。

 

感染対策の要は、三密を避け、マスクの着用や手洗いを頻繁に行うこと。

それはその通りなのですが、市場や建設現場の労働者は、そうしたことができにくい環境にあります。感染防止のためのアルコール消毒液ですら、購入するとそれだけ家計を圧迫します。個人の努力だけでは、限界があるのです。なんとも不平等、不正義な世の中…。自己防衛ができる環境にある私が、マスク着用や手洗いなどを面倒くさがっていてはいけません。それができるのは、とても贅沢なことなのですから。

 

ところで。

ワチラロンコーン国王が現在入院しています。ネットでは死亡説も出ているようですが、それはフェイク。とはいえどうやら、重篤であることは間違いなさそうです。