ついに、出てしまいました。
新型コロナ・ウィルスの二次感染。タイでは初めてのケースです。
今回感染が確認されたのはタイ人タクシー運転手。
中国人旅行者を乗せた後にインフルエンザのような症状が出たため、病院に行ったそうです。しかし、「それが何日のことか」「どの程度の時間、乗車していたのか」「運転中、マスクはしていたのか」など、詳細については公表されていません。ただ、運転手には中国渡航歴がなく、もちろん武漢や湖北省に行っていないことから、二次感染と判断された次第です。
なおこの家族5人と、中国人旅行客が下車したのちに乗車した客のうち、判明している8人の合計13人について、公衆衛生省が感染の有無を確認しています。もしこの13人の中から感染者が見つかれば、第三次感染ということになります。
新型ウィルスの潜伏期間や、乗車した客8人がすぐに特定されていることなどを鑑みれば、この感染者、ひょっとしたらタイ空港公団が運営している空港リムジン・タクシーの運転手なのかも知れません。いや、これは断言できるほどの根拠がありませんから、風評被害を生む情報になりかねませんね。
重要なことは、第二次感染が確認されたこと。これまでそれがなかったため、タイの気候では感染力が弱まるのではないか、という推測がありました。しかし今後は、たとえそのような面があるにしても、しかし感染力はゼロにはならない、感染の危険は十分にある、と受けとめて、対策を考えなければなりません。
昨日はこのタクシー運転手を除き、他に4人の感染者が確認されました。4人とも、中国人旅行者です。これでタイの新型コロナ・ウィルス感染者は、19人となりました(タイ人2人。残りは中国人)。19人といっても、7人はすでに退院していますから、現在治療を受けている感染者は12人です。
タイの公衆衛生省職員が、感染が新たに確認された中国人旅行者の宿泊先を訪問し、他の中国人宿泊客のウィルス検査をしているようです。
この大事な時に。
プラユット・チャンオチャ―首相がインフルにかかって静養中。
首相は1月29日に、スワンナプーム空港の新型コロナ・ウィルス対策を視察したのちに体調不良を訴え診察を受けたところ、インフルエンザと診断されたそうです。
プラユット首相が空港を視察しているところの写真が、同首相の公式フェイスブック・ページにアップされています。
左側、カウンターに手を置いている人がプラユット首相ですが、彼のマスクの付け方をよくみますと、鼻が覆われていない…。そのためネットでは、「新型コロナ・ウィルス感染対策の視察に行っているのに、これではあまりにも無防備だ」「子どもたちに、あやまったマスクの装着を教えているようなものだ」と手厳しく批判されています。まぁ、この深刻なタイミングであまりにも軽率だったことは間違いないでしょう。
さぁ、二次感染が確認されました。
中国正月休暇もピークを越え、ウィルスの潜伏期間を終える感染者が、これから多数発症していくのかどうか。ここ数日が、注目です。
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2020年2月1日08:20(タイ時間)
追記です。
二次感染が確認されたタクシー運転手ですが、肺炎を発症した中国人旅行者(後に新型コロナ・ウィルス感染者と確認)を病院に搬送したタクシーの運転手だったことが公表されました。また、家族は5人ではなく、3人と訂正されています。なおこの3人は、ウィルス感染が認められませんでした(それでも、もう少し経過観察をするそうです)。そうなると、空港リムジン・タクシー運転手の可能性はゼロといってもよいかと考えます。空港リムジン・タクシー社さん、お詫びいたします。