スマホ泥棒をレクサスで | 「アジアの放浪者」のブログ

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東南アジア、南アジアを中心に、体験・見聞したことをレポートします。

カンボジアの首都、プノンペン。
性格温厚なカンボジア人が多い中で、実はバイクによるひったくり事件も後を絶ちません。昨日も、旅行を終えトゥクトゥクに乗って空港に向かう途中の外国人が、信号待ちの交差点でスマホをいじっていたところをひったくられた、という事件がニュースになっていました。

私も以前、信号待ちをしていたら、2人乗りのバイクが近づいてきて、同じく信号待ちをしていたカンボジア人のバッグをひったくる瞬間を目撃したことがあります。すごい早業で、対処のしようがありませんでした。

ひったくりは犯罪。しかし逮捕されることはほとんどなく、被害者は悔しい思いをします。特にスマホにはさまざまな情報が入っていますから、これを失くしたら、正直たいへん困ります。その気持ちは十分理解できますが、だからといって、ここまでするか…という事件が、8月14日に発生しました。

プノンペン市内のレストランで食事を終えた中国人女性2人。レクサスに乗って自宅に戻るところでした。途中、どうやらスマホを操作する必要が生じたようで、路上で一旦停車。電波の関係かよくわかりませんが、なぜか窓を開けてスマホを操作していたそうです。

そこに、バイクに乗った2人組が登場。運転席の女性のスマホをひったくり、そのまま逃走を開始。ふつうなら、驚きのあまりしばらく動けなくなるはずですが、この中国女性はどうやら腹の座った人らしく、そのままレクサスを運転して盗賊バイクの追跡を始めたのです。

バイクとレクサス。スピードなら、レクサスに分があります。
女性は意図的にバイクに追突し、バイクは転倒・大破。ひったくり犯2人のうち1人が死亡、もう1人も重傷を負いました。

無事に…といっていいかどうか、とにかく破損したスマホは持ち主の手に。しかし、運転していた中国人女性は、殺人及び傷害の容疑で逮捕されました(写真中央の、スマホを握っている女性)。

イメージ 1

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女性曰く、「2,000ドルもしたスマホだから、とにかく取り戻したかった。追跡したら相手もあきらめ、スマホを投げ出してそのまま逃走すると思った」。

心情的には、中国女性に同情したいところですが…。
スマホ泥棒をレクサスで追いかけて追突し、犯人を死傷させてしまうとは。やはり行き過ぎた行動でしょう。

こういうケースでは、自動車保険が適用されるのでしょうか。
レクサスの修理費が2,000ドルで済むのかどうか、という点にはさほど関心がありません。しかし、死傷した犯罪者にも家族があるのだろうと思いますが、その家族が治療費や葬儀代を工面できるのか…。またその後の生活がいったいどうなるのか…。

犯罪は犯罪ですが、やはり気になってしまいます。