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原稿を書いたり、企画をしたときに、

「構成案が悪い」と言われるときがあります。

構成案が良い・悪いというのはどういうことでしょうか?

これから話すことは、

漫画や絵本、文芸などではまた別の話ですよ、と前置きしておきます。

ビジネス書や実用書において、

悪い構成案というのは、

基本この2点になります。

・わかりにくい
・つまらない


シンプルに言うと、こうなります。

シンプル過ぎてどうしていいかわからないと思いますので、

もう少し噛み砕きます。



1つ目の「わかりにくい」については、

「本が伝えたいことの流れが悪い」んですね。

伝えるためのいい流れをつくるには、三段論法的な考え方をしましょう。

三段論法は、


AはBである。BはCである。よって、AはCである。

「人」は、「必ず死ぬ」。
「ソクラテス」は、「人」である。
よって「ソクラテス」は、「必ず死ぬ」。



みたいなやつですね。

これは基本、論理学の証明の方法であり、正しい解を導き出すための方法論なので

三段論法で構成案をつくるというと、少し語弊があるかもしれません。

今回は、


「1つずつ処理している」

「シリアル的に処理されている」


という部分においての、便宜上の例として挙げてみました。

シリアル処理的構成案は、

つまり読者の思考する順に語っていくものです。

例としては次のようなもの。


●なぜ、多くの人は a という問題を抱えるか
  ↓
●そもそも a を間違えている
  ↓
● a を間違える原因(問題点)
  ↓
●解決方法(どうすれば解決できるのか?)
  ↓
●これでほんとうに解決した例はあるのか、またその他生まれる問題点の解決法
  ↓
●問題を解決した後、更に起こる問題点やテーマへの回答



1つのテーマを書く上で、

ある程度順を追ってシリアル的回答を出していくのです。

もちろん「これがベストな構成案」という意味ではなく、

ベターな構成案の1つです。

このような基本形のフォーマットはいくつかありますが、

その内の1つだと考えて下さい。

わかりやすい、伝わりやすいという意味で良く利用されています。

ビジネス書や実用書は、これが基本形の1つとして使われています。

※多かれ少なかれアレンジされていますが。

こうしたフォーマットを使わず、

自分の書きたいことを分散的に配置してしまうと、

読者がついていけなくなったり、

混乱をさせてしまうので、

悪い構成案と言われてしまいます。

いい構成案というのは、伝わりやすい構成案ということ。


ただこの形にも、ネガティブな面があります。

話が冗長するということ。

つまり、話が長くなるんですね。

問題点から原因をつらつらと書き連ねるものであるため、

本題として伝えたいところ(解決法)に至るまでに

距離ができてしまいます。

他にもいい構成案の基本形があるので、それは何か本を

使って研究してみてください。

ただ構成案で迷ったら、この基本フォーマットを利用するといいでしょう。



さて、もう1つの問題点としてあげた

「つまらない」

というものですが、

書いている内容そのものがつまらない可能性があります。

こう書いてしまうと、身も蓋もないですが、実際あります。

でも、つまらないと思った人は原稿全部を読んでそう言ったのでしょうか?

目次の構成案だけを見て「つまらない」と言ったのであれば、

別の意味でつまらない、と思われている可能性があります。

つまり、「見出しが下手で面白そうに思えない」という場合です。

この場合の解決方法は簡単。

見出しを工夫すること。

面白そうに見せていく方法ですね。

まあ

「内容がつまらないのに、外面上を面白く見せても…」

という気持ちがあるのはわかりますが、

人間の感じる「おもしろい・おもしろくない」という評価は、

そもそも印象に左右されるわけですから、

意固地になって原稿だけを工夫するのは、得策ではないです。




たとえば、リーダーシップの本を書いていたとして、

「上司の決断のやり方」

という見出しを付けたとします。

100%ダメではないにしても、

それで読みたくないわけですね。

じゃあ、見出しで「答え」を

読者に提示してしまうとどうでしょう。


・上司の決断力について
  ↓

・決断は必ずしもスピーディーでなくてもいい
・圧倒的成果を出している上司は3つの基準で考える
・判断を求められたら、10秒以内に決断する

とかね。

本文の内容をまったく決めていない前提なので、

答えは幾通りもでてしまいますが、

最初の見出しよりも読んでみたくなるのではないでしょうか。

※もちろん、本の中身や全体によっては、
 最初の見出しのほうが魅力的になる場合もあるのですが。



著者の見出しのつけ方で多いのは、

文章の要約になってしまっているパターンですね。

でも言ってしまいましょう。

見出しは文章の要約でなくていい。

「本文を読みたくなるようにする」というのが見出しの基本です。

見出しの方法論には、いろんな手法があります。

先ほど上げたような、

「読者に行動を示す見出し」
「答えを出す見出し」

も1つです。




もちろん、「タイトル釣り」と呼ばれる

文章と関係なく、見出しだけ煽り立てたものになるのは問題でしょう。

それはある程度自制しなければいけないと思います。

ただ、人はつまらないものを読んでくれるほど、

暇ではありません。つまらないものは読んでくれない。

そして読まれなければ価値はないのです。

自分で原稿を書いた後、再度見出しを見なおしてみて、

この見出しで次を読みたくなるかをイメージしてください。

イメージしにくければ、ウェブの記事だと思ってください。

ウェブの記事は、タイトルで皆読む読まないを無意識に判断

しているはずです。

「この見出しも思わずクリックしたくなるだろうか?」

とチェックし直してみましょう。



今日はこんなところですかね。

ではまた。




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