鳩の親子愛と一動物である人間と | life art rocks | superpeace official weblog

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7月のある時、鳩の鳴き声が聞こえる。
ふいに窓の外を確認する。
二羽の鳩がデートしている。
ベランダの粗大ゴミに隠れた側溝上に、いつの間にか、巣が作られていてその上に小さな卵が二個見えた。
鳩が産卵していたんだ。
今まで何処かで鳩を眺めては、何処に産卵して何処で子を育てているのだろうと思っていた。
初めて間近で見るので興奮する。
このベランダでよかった。
見つけたのが僕でよかった。
カラスに持っていかれたりしないのかなという不安もよぎる。
父親が餌を探しにいき、母親が卵を暖めていた。
暑い日が続く夏。
家に居る時、エアコンを使っていないので、窓を開けっ放しにしている。
しばらく日にちが経過して、「チュゥチュゥ」「ピィピィ」と小鳥のような鳴き声が聞こえてくる。
卵が割れて転がっている。
二羽のあかちゃんが誕生していた。
このあかちゃんたちをずっと温めていた母親鳩が留守にしている間、近付いてみる。
黄色い羽毛が見える。
無事に誕生したんだ。
嬉しい。
時々、親子の様子を観察してみる。
事典等で鳩の事を調べずに、自分なりに学ぶ。
庭には二羽の鳩の両親。ベランダには二羽の鳩のあかちゃん。
餌を探しながら成長の様子を少し離れた向かいの屋上から見守る父親と母親。
日に日に成長しているあかちゃん。
人間の気配を感じると、よちよち走りで粗大ゴミで隠れた巣へ一目散に戻る。
点々と赤茶色の餌の跡がある。
よく視てみると、近所の飼い犬が食べていると思われるドッグフードが転がっている。
こっそり食パンをちぎって置いてみたが、警戒しているのか、食べていなかった。
人間社会では「ぽ」が付く歌が流行しているようだ。
「ポッポッポ」という鳴き声は聞こえなかった。
親が警戒している時のあかちゃんに対する鳴き声は、「ボゥボゥ、ボゥボゥ」という不安めいた縮めた低い声に聞こえる。
親が安心している時のあかちゃんに対する鳴き声は、「ポォゥポォゥ、ポォゥポォォゥ」という安心感を与える愛情深い声に聞こえる。
親が「ボゥボゥ、ボゥボゥ」と鳴くと、二羽のあかちゃんはよちよち走りで巣に戻る。
親が「ポォゥポォゥ、ポォゥポォォゥ」と鳴くと、二羽のあかちゃんは、「ピィーピィー、ピィーピィー」「ピィーピィー、ピィーピィー」と親に擦り寄ってくる。
そして、餌は口移しで与えている。
親が恋しくて、「ピィーピィー、ピィーピィー」「ピィーピィー、ピィーピィー」。
おなかが空いて、「ピィーピィー、ピィーピィー」「ピィーピィー、ピィーピィー」。
あかちゃんの鳴き声の違いはわからなかったが、元気に無邪気で、とても微笑ましい愛ある光景を観る事が出来る。
早朝5時頃、蝉が鳴き始める。
しばらくすると、パタパタと何処かから飛んできた親鳩の鳴き声が聞こえる。
「ピィーピィー、ピィーピィー」「ピィーピィー、ピィーピィー」。
二羽のあかちゃん、随分体が大きくなっていた。
確実にあかちゃんから子へ変わってきている。
体の羽毛はすっかり親鳩と同じ色になっている。
その二羽の頭には鶏冠のように黄色い毛が残っている。
ある時、パタパタパタ、パタパタパタと羽を広げて飛ぶ練習をし始めた。
雄と雌なのかな。
若干、体格と行動が違うように見られた。
平和のスポーツの祭典、OLYMPICが始まった。
他人との戦いではなく、自分との闘い、アスリートは素晴らしい。
鳩は人間に良くない菌を持っているという人間がいる。
何処かで動物を愛せない人間もいる。
いつしか、二羽の子鳩は粗大ゴミの高い所に上るようになっていた。
家具等が遊び場になっている。
もうすぐ飛び立つかもしれないと気付いた、とある早朝、いつものように鳴き声が聞こえる。
カーテンをそっと開けた瞬間、思わず驚く。
窓のそばの粗大ゴミの上、目の前に親鳩が居て思いっきり目が合う。
雷が鳴り響く大雨が降るある時、隣とのベランダの仕切りの上、天井との間で、三羽の鳩が並んで静かに大雨の行方を追っていた。
もうしばらくの間、片方の親鳩をベランダに見ていない気がする。
成長して飛べるようになった子どもたちを迎え入れる場所で準備して待っているのか、また新しい生命を宿す旅に出掛けているのかはわからない。
親子の体格が随分と似てきている。
動物たちがお互いの住みかを借りながら野生に生きる。
人間の僕はこの鳩の親子を見守る事が出来た。
ある選手が自分との闘いに勝った先日、鳩の鳴き声が聞こえなくなっていた。
ベランダに住んでいた鳩の親子。
旅立っていた。
ベランダは少し汚れているが、改めて、この場所でよかった。
時々、開けっ放しの窓の外から、羽の音が聞こえる。
思わず高揚して、外を確認する。
もう、此処からはあの二羽の親鳩と二羽の子鳩の鳴き声は聞こえない。
故郷、いつか戻ってくる時があるのかな。
この先、どんなに険しい未知があろうと、親が子を育てるという事。
尊敬しています。



こんな事を考えるのは、人間だけだろうか。
「人は一人で生きていくもの。」
「人は一人で生きていけない。」
「人と比べてみじめな想いをする事もある。」
「人と比べて学び取り認め合う事もある。」
「人が違えば生き方も違う。」
身近に感じていたひとと離れていく。
友人知人と離れていく。
このテキストを知る由もなく。
携帯電話だけに保存したメモリーが消えるように。
「世の中に起こる事は必然」であるならば、自分を逞しく生きるという事。
月日は一瞬で容赦なく走る。
まだ経験した事ない未知を。
ぼんやりとして居られない。


(この話には続きがある。いつの日か書き留めるかもしれない。)

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