次女のありーが1歳10ヶ月ぐらいの時のことであった。

姉のいぶりんは幼稚園に通園していて、毎朝、妻といぶりんとありーの3人で行っている。
ありーは、外に出るのが好きみたいで、姉よりも早く自分なりに準備をして、玄関で待っている。
その日は、ありーは病み上がりのため、妻といぶりんの二人で通園することになった。
私とありーが留守番である。
そうとは知らず、ありーはいつものように準備を始めた。
「くつした!」ありーが叫ぶ。
私がくつしたをはかせる。
「バンジャー!」またありーが叫ぶ。
バンジャーとは、ジャンパーのことで、うまく言えない。
私がジャンパーを着せる。
「てぶくろ!」
・・・・
と準備が万端になったころ、隙を見て、妻といぶりんは出かけて行った。
ぼうぜんと立ち尽くすありー。
 

「ありー、こっちで、いないいないばぁ見よっ」と声をかけたが、
「いらん!」
「わんわんが出てるよ」
「いらん!」
「ヨーグルト食べる?」
「いらん!」

泣いてはいないが、ものすごく怒っていた。
1歳でもこんなに怒るのかと妙に感じ入った。