「どうしたの?リハーサルあるんでしょ?遅刻しちゃうよ?」
「………………」
浜辺に2人並んで遠くを見てるドンへ。
いつになく、大人の…一人の男の顔をしてる。
本当にコロコロ変わるのね。
なんて、見とれてると交わる視線。
「…………ぬな?」
「ん?どうしたの?」
そっと、左手を取られ、彼の胸のなかに引き寄せられる。
そして感じるドンへの、力強さや、優しさ、私を愛してくれてる気持ち。
ドンへの香りに包まれて顔を胸のなかに埋めるけど、すぐに顎を引かれ上を向かされるとドンへの顔が目の前に現れた。
あ、キス……。
車を止めてから、ぬなと呼んだ以外無言なドンへだけど、凄くくすぐったいような温かな風に包まれたような幸福感が私たちをすり抜けていく。
まるで、唇がスローモーションになったように近づいてやっと触れる。
目を閉じたその瞬間まで、ドンへを見つめてその甘美なる口づけに蕩ける。
そうして、ふと左手の薬指に違和感を感じる。
キスから目覚めて、視線をそこへ落とすと煌めく銀の輪。
「ドンへ……これ…」
「これから、沢山、苦労をかけるかもしれないけど…」
微笑みながら、照れ隠しに抱きしめてくれるドンへ。
私の耳元で囁く声が愛しく感じる。
「俺と一緒に生きていってほしい。ぬな、俺がぬなを守っていくから…」
ポツポツと伝わるドンへの言葉が終わる頃に、私の頬を伝う涙はドンへの肩へと落ちた。
「やっと、言えた。ふふっ、ぬな…。いつも、俺のせいで泣いてるね?」
「ばか…私が泣くのは、ドンへが好きだからじゃない…」
「知ってる…。ねぇ、答え聞かせて?」
甘えたようにドンへは私の背中に回した量腕を、腰におろして私を囲う。
「……愛してる。って言ってくれたら…一緒になる。」
「ふふっ。ちゃんと言ったこと無かったもんね……。ぬな…」
再び触れあう唇。
その瞬間に私にしか聞こえない声で一言。
「愛してる。」
私も愛してる。
言葉だけじゃ足りないくらい。
きっと、ドンへにこんなこと言ったら俺はこれくらい!って、更に大きく言ってくるんだろうな。
ねぇ、ドンへにとって、一番嬉しい言葉を今言ってあげる。
「ドンへは、私のすべてだよ…」
fin.
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