校門に猫が吊るされていた。

朝から教室が騒がしいのはそのせいだった。
猫は生きていて、ただ吊るされていただけのようだ。

たちのわるいイタズラと処理された。

須藤は鞄を机の脇に掛けて椅子にどすん、と腰をかけた。

「知っている?」

声をかけてきたのは早瀬逸見。同じ保健委員なだけの仲だ。

楽な委員だからいいか、と思っていたら意外とやることが多くて顔を合わせる機会が増え、話す機会も単純に増えたのだ。

「知っているよ」

「え、なにも行ってないし」

「…猫の話以外なら聞いてやるよ」

「…」

やっぱりか、と須藤はため息を吐いた。

何気ない一日だった。そう、この日から全てが少しずつずれていく。

そしていつか。