中学生の職場体験で、すごく中学生がやってきて
(主として対応していたのはほかの人だったわけなのですが)
彼は本当にできる人だ、と思ったのは、
彼が「ここがわからないので教えてください」と
言ったとき。
ただただ、あ、すごいな、と思った。
それは、
「あ、私の説明不足だな」ということを
的確に聞いてきた、から。
誰かに質問されたとき、
「あ、この人あんま考えてないな、
反射的にわかりませんっていってるな」
っていうのは、聞かれたほうはわかる。(ことが多い)
逆に、
「あ、それは確かにこちらの説明不足だった」っていうのが
わかる質問っていうのは、
くれたらすごくうれしいし、ありがたい。
ここから先は彼の質問がどんなものだったか書くけれど、
結構めんどくさいので、たぶん興味がない人はスルーするのがいいんだろう。
ええと、私の職場は薬屋でして、
お薬を飲んだ時に、どんなふうに体の中にお薬が吸収されるか、
そして分解されて出ていくか、の話をしたんですよ。
そんな、中学生の男の子が興味がある分野じゃない、と思いながらも
急にふられて、とっさにそんな話をしました。
くすりっていうのは、服用したときから、体の中に吸収されて、
血中濃度(つまり血の中のくすりの濃度)は
やまなりになります。
はじめは吸収が早いから、ぐっとお薬の濃度は上がるけれど
それから分解が進んで
さいごは体の中から出ていく。
その、血中濃度の一番高いところまでに行くまでの時間を
Tmax(最高血中濃度到達時間)といったり
体から血中濃度が半分になるまでの時間を
T1/2(半減期)といったりします。
こういうのはお薬によって違って、
そのために1日1回のお薬もあるし、1日3回のお薬もある。
成分によって吸収も分解も差があるし、
食事の影響を受けやすいもの、受けにくいものもあったりします。
…………みたいな話をしたんですよ。
まずさ、めんどい話じゃん?
あとさ、興味ない分野ジャン?
「なるほど、へー」って言って、彼としてはいいところなわけ。
レポートに
「なんかいろいろ教えてもらいました」って書いてもいいとこ。
そしたらさ、彼ね
「T1/2のところがよくわからなったので説明してもらえますか」
って言ってきたのよ。
やばない(笑)?
……少しだけ解説を入れると、これね、
上のグラフでは半減期ってここからここまでです、って
見た感じでわかんないの。
半減期ってのは、こう、
静脈投与、つまり
一気に体の中に薬が入ってきて、
この後は吸収なし、減っていくだけ、っていうときに
体から薬物が半分になる時間のことをいうのです。
はじめの瞬間を100%とすると、10分で50%になるとするじゃん?
じゃあ次に10分たった時(スタートから20分ね)
ゼロ%になるかっていうと、そうじゃない。
次に、25%になる。
(こんな理想的にへるかっていうと実際はそうじゃないけどね)
この場合なら、半減期は10分です、っていう
そういう話なのね。
で、
これはほんと、はじめの私の説明だと、
わかるはずがないんだ。
(下手な教え手ですまないです)
だから、聞いてきた瞬間
「あ、本気でこの人は私の話を理解しようとしたな」
っていうのが、わかった。
さらに言うと、私がちゃんと説明したところは
理解したんだ、ということが
こちらに伝わってきたんだよね。
「わかりません」っていっただけなんだけど、
それで私は彼を結構尊敬した。
昨日のブログで書いた
「どこに行っても一流になるだろう」っていうのは
決して過言ではないと思ってる。
あ、結論ね。
わからないところをそのままにするのは、たぶんダメなんだ。
「わかりません」って素直に言えることも結構大事。
(↑私はこれがまだまだできない人だわ)
ただ、それ以前に「一回考えたか?」っていうのは
もっと大事だと思ってる。
一回考えて、本当にわからないところは、聞く。
それでいいんじゃないかな、と、私は思うのです。

