最後まで与謝野節
第二次安倍内閣の与謝野馨官房長官が最後の定例記者会見をした。
官房長官の在任最長期間で一番長い人は福田康生さんということになっているけれど、与謝野馨さんの当意即妙な対応と記者団をけむに巻く技術はこの人の右に出る人はいないと思っている。
受け答え、発言の内容が実にすばらしいからだ。
歌人の鉄幹、晶子を祖父母に持ち、教養人としても知られる与謝野氏だけに、記者会見では、政局を語るにも、囲碁から音楽まで幅広い話題を織り交ぜてきたからだ。
「官房長官の発する一言一言が新聞記事になり、結果として内閣のイメージにつながっていくのでかみ締めるように自覚してしゃべってきたつもり」というように、テレビで見る与謝野さんの発言は実にそつがなかった。
会見では「取り消したかった発言はあるか」と尋ねられ、「1回だけある」。
首相の辞意表明について19日の会見で「イスから転げ落ちるほどびっくりしたわけではない」と、事前に感づいていたかのように答えた発言を挙げ、「表現が世俗的すぎた。もう少し文学的な表現が良かった」と、最後まで与謝野節だった。