親父とSaraママは、塾の先生である。
昨日、Saraの学校の塾対象説明会があった。
帰りに、Saraの授業中の様子をこっそり覗いてきた。
美術の時間中であった。
Saraは奥の机に、教室の扉に背を向けて座っている。親父が覗いても気づかない。
一生懸命、集中して絵を描いている……わけがない。
隣の子と「ペチャクチャ」一言二言お喋りして、筆がちょっと動く。
また、隣の子とお喋りして、筆がちょっと。
「お喋りの時間かい」とキレたときに、Saraが振り向いた。
そこには大魔神怒りの形相の親父。
Saraそれを見て、大あわてで背筋をシャンと伸ばし、正面を向いて、一心不乱に筆を動かす。
二度と振り返ることはなかった。
担任の先生からは、「明るいお子さんで……」と明るいを3,4回繰り返される。
他に褒められるところはないらしい……。
恥ずかしかったわい
親父