Saraの中学受験は不合格からはじまった。
 
Saraは最初、中学受験には消極的で、生活の中心はドラム。練習時間は平日で1~2時間、休日は5時間になることも、さらに月1~2回のライヴ活動
5年生のときはほとんど勉強していなかった
 親父は中学受験させたかったし、両親共に、塾の先生なので万が一のことを考えて、5年生から分数の計算程度はできるようにしていた。

 でも、Saraはやる気なかった


 5年生の6月に、ある私立中学に部活体験に行きました。そこでSaraはブラスバンド部の顧問の先生から熱心な勧誘を受けました。それでその気になったみたいです。

 3月にAO入試(転入試験)があり、それを受験することになりました。とにかくドラムを練習する時間が確保したくて、車だと15分程度の近さであり、1年早く入学してしまえば受験勉強をしなくて良いと思い受験しました。
 結果は、予想もしなかった「不合格」
 AO入試と聞いていたのに、成績のみで判断しているようでした。「特技入試」だから受験したのに話が違うとも思いました。普通に中学受験したらSaraだったら合格できると思っていた学校なので、ろくろく勉強しないで試験を受けた油断もあったと思います。

 この1年親父の思いとしては、「あの程度の中学落とされて悔しくないのか、見返してやれ」という思いはありました(落ちちゃったので悔しまぎれに吠えているだけです。本当は素晴らしい教育をしていて、なんであの中学がそんなに入りやすいんだというお得感のある学校です。校長先生も素晴らしい方で親父は好きです)。


 このことがきっかけでSaraも「私立中学へ進学したい」と思いが出てきたみたいで、中学受験を決意します。


 さて、Saraの志望校は、どのように決定されたのでしょう。
「ドラムの練習時間を確保するために通学時間は30分程度・入学後の音楽活動が認められる学校・できれば英語力を伸ばせる」、これが条件でした。通学時間30分程度の学校は結構ありますが、入学後の音楽活動が認められる学校は意外と少なく、あっと言う間に2~3校に絞られました。
 そのうちの1校は、親父の出身校であり、よく知っている学校でした。体験授業、部活体験などに参加して、Saraも大変気に入ったみたいでした。
 が、問題は、この学校は最近急に難しくなっており、偏差値も首都圏で59(四谷大塚でも58)に上がってますちょっとハードルが高くなっているなと思いましたが、ここを第1志望にしました。



 Saraは塾には通いませんでした。正確に言うと、両親が塾を経営していますから、わざわざ塾に通わず、その教室の隅で勉強していたということです。
 うちの塾は、受験専門塾ではありません。むしろ補習塾で、一クラス6名程度の小さな塾です。ただ親父は中学受験の生徒を教えた経験も豊富で、過去の実績も自信があります(後になって、自分の娘によってその自信が揺らぐことになるとは)。


 ただSaraの場合は、大手の中学受験専門塾などに行ってないことが、大逆転を可能にしたとはっきり言えます。大手の塾では、情報が溢れ過ぎていて、自分の成績などを意識しすぎてしまいます。「この程度の勉強ならこの程度の成績」という意識が強くて、下位の成績を取るとあきらめてしまいます(自分はこの程度とおもってしまう)。クラス分けがはっきりしているところは、なおさらそれが強く出てしまいます。競争で伸びる子なら別ですが、Saraは競争が苦手な子です、大きな教室は不向きでした。


 というわけで、5年生の3月(春休み)から親父と妻が教える形でSaraの受験勉強がはじまりました。

 この頃(春休みから4月)は平日は、塾で勉強。休日はまだまだドラムの練習が中心の生活でした(春休みはずっとドラムを教えていたような気が……)。
 この頃は四進準拠の5年生用のテキスト(うちの塾で使っているテキスト)を6月までに終わらせることを目標にはじめました。6年生になって、5年生のテキスト(普通4年の3月から使うテキスト)を勉強しているということは約1年も遅れていることになります。でも、ここで焦らず基礎からじっくりと取り組ませることは必要なことでした。特に(公式やパターンで解かせるのではなく)図をきちんと書かせることに取り組んだのは正解でした。後から算数は得意科目になります。


 5月に初めて、首都圏模試を受けて、偏差値40ガーン。理科以外は偏差値40台、国語・社会はなんと38、36。アハハハ、笑うしかない成績
 ただし、これは親父の予定通り。6年生から受験をはじめた子はこの時期、この程度のビハインドがあることは計算通りでした……。
 ところがSaraは、模試の結果にショックを感じて、「自分はこれ以上勉強しても、成績は伸びない」と思ってしまいました。
(つづく)


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