コージー・パウエルが様々なバンドを転々とした「ドラムを担いだ渡り鳥」あったのに較べ、ニール・パートはずっとRUSH一筋。そう言えばRUSHは2nd以降(1stだけドラマーが違う)はずっと固定された3人でメンバー・チャンジのないまれなバンド。
- Moving Pictures/Rush
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定盤は「Moving Pictures」。1曲目"Tom Sawyer"のブリッジのドラムは複雑で一聴しただけでは何をやっているのかわからない。Saraもかなり苦労して音を取っていた。
インスト曲"YYZ"は、このアルバムのハイライト。ドラマー的には美味しいフィルが多い。ショート・ドラム・ソロも工夫があって面白い(意外とベースは単調、手癖だったりする)。イントロの変拍子は、モールス信号で「・-・・ ・-・・ --・・」トロント空港の識別信号らしい。
ツーバスと多点キットがセットの特徴で、タム回しは思いっきり端から端までぶん回してるよお。しかも、途中で奇数割りが入ったりする。
ドラムの周りにたくさんのパーカッション(カウベル、シロフォンなど)類があって、その使い方も効果的である。"Xanadu"、"Sprit of Radio"などで聴ける。
「Grace under Pressure」以降は、エレクトリック・ドラムを導入して、観客に向かって前がアコースティック・セット、後ろがエレクトリック・セットで、360度ドラムに囲まれるというすごいセットでライヴをやっていた(武道館に見に行った)。今は回転するので、後ろを向くことはない。
ドラム・セットの変遷はDVD「REPLAY X3」で確認できる。
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RUSHはライヴが素晴らしい。ライヴ・アルバムとして「EXIT...STAGE LEFT」をお奨めしようと思ったが、このDVD見ればいいじゃん。尚、このDVDはリージョン・フリーなので輸入盤でいいと思う。
近年、RUSHのDVDは「RIO」、「R30」、「REPLAY」(全部Rが頭文字なのがみそ)とたてつづきにリリースされた。どれもすごい良い(家ではたぶん一番良くかかるDVD)。特にニールのドラム・ソロには、ドラマーじゃなくても(親父は弦弾き)釘付けになってしまう。
- Snakes & Arrows/Rush
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んで、最後は最新アルバム"Snake and Arrows"。珍しくインスト曲が3曲も入っている。そのインスト曲でニールは、相変わらず職人技ドラムを叩いている。このCDは、ドラムの音が非常にくっきりとしてわかりやすいので、音が取りやすい。クルマの再生環境でもはっきりわかる。日本盤ボーナスもないようなので、どーしても解説が欲しい人以外は輸入盤で十分。
コピー難易度は★★★
変拍子が多い、手数が多い、符割りが複雑、しかもテクニシャン(鬼のように練習好き)。多点キットで、パーカッションも組み込んであるので、ちゃんとコピーするのは至難の業。
Saraも"THE TREES"をコピーしたときは、Vドラムに専用キットを作った(マリンバの音階が難しかった)。
コピーするときは、ドラムに視線を落とし、バンドメンバーとは目を合わさず、黙々とドラム職人になりきること。表情を変えてもいけない。
※コピー難易度はSaraの主観に基づいてます。
親父