臨床例(12)、(13)の患者さんである。

 Kさんは、じつは、独学で絵を描いておられる。仕事が左官屋だったこともあって、材料はすべて左官に使うものばかりである。画材もそう。壁を塗る材料を使って作品にしている。

 自分も昔は絵をかじっていたので、話に花が咲き、今度、見せ合いましょう、なんて話になっていた。それで今回、Kさんが小さい作品を持ってきてくれた。

それがこれである。


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構図をもうちょっと考えたら、もっとよくなりますよ云々の話を二人でする。

しかし、面白い作品だなあと。

そして私のがこれ(笑)。お恥ずかしい話であるが。


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これは飛騨高山に行ったときに描いたもの。



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これは三徳山の投げ入れ堂というところで、描いたもの。

崖っぷちでの危険な場所でした(笑)。

後輩は危うく崖から落ちそうになったりしてましたね。

画材はパステルです。


ひと時、談笑。そして施術に入る。

 一週間ぶりの来院。交通事故の後遺症による首の違和感であったが、この方の希望で6日間連続で来院され、そして、一旦、空けることにした。それが一週間前である。

 病院ではこれ以上よくならない、というこの方の感想で、こちらに来られたのであるが、補償のことなどあるので、この方の知り合いが奨めてくれたという整骨院に今は通っている。病院に行くよりは金額が安いので、保険屋もそのほうが助かるし、どのみち、この段階では病院でも整骨院でもやることにたいした差はない。私も、相手の保険会社がそういうのならば、ちょっとでも長い期間診てもらえるほうに変えてもいいでしょうと同意した。

 

 首のほうは、ウィルに来ている段階でかなり軽減していた。現在も日常そのものは問題はないようであるが、仕事が肉体労働であることと、この方の年齢(60歳)ということが、ご本人には気になるらしく、完全に治したいとの希望が強い。そこで、うちには一週間に一回来てもらうようにし、間は、その整骨院に行ってもらうことになっていた。

 さて、自分も整骨院にはしばらくお世話になっていたこともあって、どんなことをするかは大体の想像はついていた。院によっての違いはあるが、現行の整骨院の多くがやることは、電気を当ててマッサージ、という形態がほとんどのようである。そこもそのようなやり方らしかった。院長が丁寧な方らしいので、それを聴いてこちらも安心。そしたら、「今日はかなり強くマッサージされた。」という。Kさんは、整骨院の行って、こっちにも来たらしい(笑)。初回などは院長がやってくれたらしいが、今はスタッフにされるようで、「痛いけど、我慢しないといけないと思って、耐えてました。」とKさんは言った。「いやあ、痛いのはダメですよ。過度な刺激は特に。弱くしてと頼めばちゃんと弱くしてくれますから。」とアドバイスしておいた。

 この時点で、サーモグラフィーを取ればぐちゃぐちゃであろうことは推測できた。院にKさんが来てから、絵の話をしつつ、時間をかなり取って計測したが、結果は以下の通りである。


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 片側にかなり偏ってでた。左右の温度も低いところは約32度。低い。こうやって偏る場合、側方へのバランスを著しく崩している場合が多い。身体が横に崩れると、崩れないように反対側の筋肉などが緊張して引っ張ろうとする。それを「凝っているから」といってほぐしてしまうと、よけい崩れたりする。たぶん、今回はそういうパターンである。あと、確証はまだ無いが、Kさんは左の大脳になんらかの事故の後遺症的な障害がありそうな感じである。障害といっても重篤なものではない。首の痛みの原因がそれらしいと予測している、というだけである。

 上部頚椎のパターンは出ている。陽性だ。


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 ベッドに寝てもらう前に、立位で首の動きを見てもらう。やはり左に向きにくい。そこで、左の肩甲骨や鎖骨、肘を刺激して首の違和感を取る。これで首はスムーズに動く。

 それからベッドにうつ伏せに寝てもらい、検査する。マッサージのことがあるので、身体所見でも当てにならないものがある。下肢の長短もそうである。案の定、左右差はほとんどない。サーモグラフィーのNCMで測定すると、胸椎2番で反応があるが、座位で調べたときよりも反応が少ない。これは抗重力機能がうまくいっていないことを暗示している(ちゃんと立てていないということ)。したがって側方へのバランスが崩れている、という可能性はやはりあると判断する。

 NCMで反応の出た胸椎2番を矯正。以降、NCMでは反応しなくなる。

 上向きになって寝てもらう。内臓の反応点を調べるが、ほとんど陰性。左の肩甲骨が上がってしまっていて、それによる圧痛がある。後頭骨と頚椎1番あたりの硬縮あり。左大腰筋の問題を発見。そして解除。Kさんには珍しい。

 マッサージによる過剰な刺激の後なので、パターンの出ていた上部頚椎だけをあとは施術することにする。

 専用のテーブルに寝てもらって矯正。これで左の肩甲骨の圧痛は激減。あとは上向きでしばらく寝てもらう。

 

 20分後、起きていただき、サーモグラフィーで計測する。



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全体的にはこのような感じに。もう少し寝かせればもっと落ち着く可能性はある。

左右の温度も34度台まで回復。刺激は少ないほうが良いという例である。


次に頚椎であるが、


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このような感じに。

下部の方から立ち直りつつある。


最後に、施術前と後を比較してみよう。


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全身のサーモ。赤が術前。黄色が術後。



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上下ともに、右が術前。左が術後。



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頚椎部のサーモ。赤が術前。黄色が術後。



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右が術前、左が術後。


 最後に、足の裏と甲にだけ光線を照射。いつもなら背中と腹部にも当てるが、マッサージの後なのでやめておく。


施術終了後、いつものように首は問題なく動くようになっている。


 Kさんはあちこちに、うちを紹介してくれているようである。非常に感謝なことだ。


最後に、Kさんはバラの作品をプレゼントだといって、置いていってくれた。重ね重ね感謝である。


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では、『ウィル』でお会いしましょう。