手技療法の施術院にはいろいろあります。したがって料金体系もいろいろあって、それはその施術者の考え方を反映していることが多いです。我々のような仕事は実費になりますから、下は3000円くらいから上は数万円等、本当に様々です。


 『ウィル』での料金は、初診が5000円、次回からは3500円と、実費施術では低料金に属します。内容的には5000円でもいいのに・・・という声を聴くこともありますが、今のところこういう感じです。

 理由はあって、1回5000円だと、当たり前のことですが2回くれば10000円なわけです。それだけあれば『ウィル』に3回来ても500円多い出費ですみます。早い話、回数を重視した設定にしているというわけですね。


 私はよく、施術を農業に喩えます。酷使された身体というのは、荒廃した土地と同じで、そこに種を蒔くだけでは実りません。土を掘り返して、まず土を作っていかなければなりません。手入れされていない土地は作物がちゃんと取れるようになるのに数年かかったりします。そうやって土が出来てはじめて下準備ができるわけです。そこまでやってから、水をひいてきたり、いろいろあり、収穫は基本的には1年に一回です。自然の営みというものはそういうもので、そして自然の法則に沿って行われることがもっとも理想的なのです。

 アメリカあたりでも大規模に機械化したりして地下水を大量にくみ上げたり、化学肥料を大規模に投入したりした土地は、一時の収穫は莫大ですが、最終的には土が死んでしまい、土地が荒廃しています。


 それと同じことで、やはり自然の法則を離れて、人間の営みはありえないわけです。


 ところが、機械文明が発達しずぎると、人間は自分を自動車か何かと勘違いし始めて、部品を交換したらすぐに元通りに動けるように勘違いしがちです。単純に考えれば、指を切ってしまった時に、いくら処置が早くても、傷口が塞がるのにはそれ相応の時間がかかることは経験的にわかると思います。で、あるのに、これが傷口の見えないような症状になると、そんなことを忘れてしまうのです。


 すべての天の下のことには定められた「時」がある、というような言葉が、たしか旧約聖書にあったと思うのですが、まさにその通りで、子供が生まれるのにも十月十日かかるのには、それなりに理由があるわけで、旬の食べ物も同じことです。

 宇宙の法則の下にあったものが、どちらかといえば人間の都合に合わせたものが増えてきています。文明と言うものは上手に使えば人間の生活をよりよくしてくれるものですが、そうでなければ人間を破滅に導くものになってしまいます。


 『ウィル』の料金が比較的低く抑えているのには、そうやって、ちゃんと手入れできるだけの回数を患者さまが取れるようにするためです。そしてもう一つは、初期に出来るだけ通えるようにしたいという気持ちからです。せっかく土を掘り返して、農地を作ろうとし始めても、そこで止めてしまえば、また不毛の大地に戻ってしまいます。

 収穫がえられるようになる時期まで、一気に手入れをすませてしまうための、集中的な施術が初期には効果的なのです。ある程度、農地として出来上がれば定期的なもので十分でしょう。しかし、何年も患っているような場合、基本的に患っていた年数と同じだけ治るのにも時間がかかると思いなさい、と私は習ったことがあります。それだけ荒れ果てているということなのでしょう。


 ですから、急性の症状であれば、比較的短期間で治りやすく、慢性になればなるほど治りにくいのは、そこに至るまでになんら手入れが行われていなかったからであって、その分を取り戻すのに時間と手間がかかるということです。

また、人間の癖というものは、すぐには治りません。悪い身体の使い方、悪い生活習慣というものは、わかっているけど止められねえ・・・というやつで、せっかく施術して良い状態を作っても、単発の施術であれば、効果は一時的に終わってしまうということです。


 初期にはとくに身体に投資することをお薦めします。遠方の方であるなら仕方の無い部分はありますが、悪い芽を早いうちに摘んでしまえば、結果的に費用も安くすみますので。


 目安は週二回を二週続けて、あとは状態がよければ減らす・・・と言う感じですが、その人の状態にもよるので、一概には言えませんけれど、あくまでも目安ですので、その辺りだと思っていただければ。良い土にして良い種を蒔きましょう。


 方針が変われば設定も変わっていくでしょうが、こういった理由で、現在のところ『ウィル』の料金は設定しています。