これは、以前にやっていた場所の患者(Aさんと仮に呼ぶ)である。


 腰痛になって、左の坐骨神経痛が酷く、病院に行ったが、痛み止めも効かず、3日間も仕事にいけずに家で寝ていたと言う。来院したときも、びっこを引き、奥様に介助されて来られた。

 当時の施術は今とは少し違う。だが、重力線というものが、いかに人間に大きな影響力を持っているかということを知ってもらいたいために今回は取り上げる。当時、私の施術院では、赤外線サーモグラフィーを使用したり、光線療法を施術の流れに組み込んだりしていた関係上、患者さまには、基本的に、患者着(後ろ開き)に上は着替えてもらい、下はこれまた、こちらが用意したショートパンツに着替えてもらっていた。そうすることで、垂直線に立ってもらったときの患者の歪みも、よくわかったからであるが、Aさんの場合、あまりの痛みで、着替えることもできないので、そのまま施術することにした。



   大きく右に逸脱しているのがお分かりになるだろうか?


 こちらは、大きく前に崩れている。


 左足の坐骨神経痛なので、右への逃避姿勢であるのだが、病院の診断では、ヘルニアではないということなので、典型的な消化器、胃あたりの不調から引き起こされた坐骨神経痛であろうと推測。カイロプラクティック的にいうなら、左臀部の梨状筋症候群である。左足の坐骨神経痛は、とくに胃と関係がある。水分の取りすぎであろうと思い、Aさんに聞いてみると、仕事場が暑くてたまらないので、水ばかり飲んでいたとのこと。反応点も、胃の反応点が顕著であり、よって、施術開始。


 ひとまず、頚椎一番をアトラスオーソゴナルというテクニックで矯正。ほとんど痛みのない矯正法である(現在は使用していないが)。それによる姿勢の変化は以下の通り。






 側方への頚椎のズレをメジャーに矯正して、これだけ姿勢がかわるのである。とくに前後のバランスの顕著な変化に注目していただきたい。


 Aさんはこの時点で、痛みは軽減したらしく、驚いたらしい。その後、骨盤の仙腸関節が緩んでいるのを締め、胃の経絡を開放して、梨状筋をアイシング。最後に梨状筋と腹部・背部に光線治療。

 問診から含めると、この患者さんにはかなり時間を取られたが、施術が終わると、かなり軽やかに歩いておられたので、大丈夫だろうと判断。実際、帰り際には、楽になりました、と丁寧にお礼を何度も言われた。ただ、ぶり返す恐れもあるので、しばらく様子を見てくださいと、告げた。


 翌日、このAさんから電話があった。悪化でもしたのか?と内心はハラハラしたが、Aさんは、あれからまったく痛みがなくなって、仕事に行けるようになりました、と非常に感謝されたことを覚えている。Aさんのお父さんも驚かれたようで、「3日も寝たままだったのが、帰って来たら動けていることに驚きました。」という話をされた。

 

 懐かしい思い出であり、当時としては、嬉しい臨床例であった。


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